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隆二さんはカウンターでご飯をよそう私の方に体を向けた。
「うーん………確かに」
「だからねー………なかなか」
「うーん……でも、ずっとじゃないんですよね?」
「うん、こんなんは今月だけ」
「そっか。はい、どうぞ」
「ありがと」
湯気が立ち上る料理。
テーブルに食器を置く音。
テレビの星座占い。
当たり前の朝の景色に、隆二さんがいる。
「結婚してるみたいじゃない?」
「えっ!?」
「…………ビックリしすぎ」
しますよ、ビックリ。
「話し変わるんだけどさ」
変えちゃうのかー………。
「臣が連絡先知りたいって」
「誰の?」
「Aの。ケチャップ取って」
「え?あ、はい」
「私の連絡先聞いてどうするんですか?」
「あ?何か買い物とか行きたいんじゃん?出ねぇよこれ」
隆二さんが強めにケチャップを振るからちょっとヒヤヒヤする。
「あの………」
何となく聞いてこなかったけど……
「臣くん、彼女いる?」
「うまいねコレ」
「ありがとう………ねぇ、臣くんに」
「何でそんなこと気にすんの?」
隆二さんの右のほっぺにはオムレツじゃなくて“ムッ”が詰まってる。
「私、彼女いる人と約束して出掛けたりしたくないんです」
「なるほど。彼女……みたいなのは居るんじゃん?」
「みたいなの………」
「どうする?教える?」
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作者名:ぽち。 | 作成日時:2016年2月6日 21時