色戀、召しませ。3 (ページ45)

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Seeyou. ページ45

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昔、電車や新幹線でパソコンを使っている人を見て、大変だなぁと思っていた。

自分がそうなるなんて………。

意匠的に満足しても構造的に苦しい箇所に気付く

構造的に完璧だと思うと今度は意匠的に美しくない

頭から煙が出そう。

少し寝ようと思っていたのに、仕事をしているうちに新幹線は地元の駅のホームに停まろうとしている。

「やばっ」

慌てて荷物とパソコンを抱えてデッキへ向かう。

ホームに一歩足を下ろしただけでホッとするのは、やはり生まれ育った場所だからだろう。

「あれ……？」

改札まで迎えに来ているはずの姉の姿がなく、私は電話を掛けた。

“ごめーん！はるがねぇ、まだ学校から帰ってこなくて出るに出られないの！あのバカ何して
、痛っーい！”

ガッシャーンと何か崩れる音が電話の向こうでしている。

「いい！いいから！お姉ちゃん慌てなくていいから！取り敢えず実家寄って病院行くから！」

“ごめんねぇ！”

姉は、せっかちとおっちょこちょいが混在している人。

もうじき完璧なおばちゃんになるだろうと予想している。

因みにはるちゃんとは、私の姪っ子。

姉と一回り歳が違うこと、その姉が早く結婚、出産したお陰で私は小学生でおばさんになった。

はるちゃんは、難しい年頃。

たまにポエムっぽい悩みを私にLINEしてくる。

駅前のロータリーでタクシーに乗ってやっと一息ついた。

久しぶりの街並みを目に写しながら“着きました”と隆二さんにLINEした。

“お疲れさま。今、こんな感じ”

返信には楽屋みたいなところで寛いでいる臣くんの写真がくっついてきた。