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東京名物一通地獄。
結局、ぐるーっと回って事務所の前を再び通りすぎてパーキングに───
「満車!!!」
若干イラついたまま、もう一度電話を掛けた
“もー。もうちょっと待ってよー”
もー。お前が早くしろよー。
「満車で停められません」
“本当!?そしたらねそこをまた左に曲がって。細い道なんだけどちょっとくらいなら停めとけるから”
「分かりました」
言われた通り左に曲がって路地に入った。
「この辺で大丈夫かな………」
ギアを引いて、もう一度ルームミラーを見たら車の真後ろに警備員さんが立っていた。
さっきから気が付いていたけど、事務所の周りに何人も警備員さんがいる。
こんな路地にまで………と思いながら、んー!と伸びをして隆二さんを待った。
暫く経ったころ、警備員さんが私をチラ見しながら車の横を通りすぎて行った。
それは2回ほど繰り返されて………
文句を言われるのを承知で隆二さんに電話した
“今降りてるよ”
「早く来て……」
“早く会いたいの?”
「それもあるけど、私不審者に思われてる」
“はぁ?”
「ほらぁぁ!!何か無線みたいなので喋ってるぅぅぅ!!」
“え?あ、あぁ!見えた!すぐ行く”
サイドミラーに走ってくる隆二さんが見えて私は胸を撫で下ろした。
車のすぐ横に立っていた警備員さんと二言、三言話して車のドアを開けた彼が、ちょっと笑ってる。
「ごめんね、待たせて」
彼がシートベルトをしたのを確認して、私は窓の向こうの警備員さんに会釈して車を出した。
「あの警備員さんTwitterとかやってないと良いよね」
何それ面白い。
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作者名:ぽち。 | 作成日時:2016年1月26日 20時