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「お、今日は魔女じゃないんだね」









リビングに戻ったら、いつの間にかコンビニから帰ってきていた隆二さんがアイスティーを渡してくれた。









「今日は白にしてみました」









ゆかりに“入院患者”と言われた白いワンピース。









「俺も入ってくる。芋食って待ってろ」









「はい、食って待ってます」









パリパリ、ムシャムシャと芋を食べながら深夜の時間に入ったテレビを観る。









暗いノンフィクションのドキュメンタリーで、どよんとした気分になりそう。









だけど、画面の中の人は一生懸命に生活していて私は食い入るように観た。









「やべぇ、また俺Tシャツ忘れた」









20分ほど経った頃、勢いよくドアを開けてリビングに入ってきた隆二さんは上半身が露で、私は目をそらす。









寝室に入った隆二さんの気配を背中で感じながら、またどんよりしたドキュメンタリーを観た。









ゴクゴクとアイスティーを飲んで、エンドロールが流れ出した画面を眺めているうちに









Tシャツを着るのに何分かかってるんだろう?と寝室の方を振り返った。









まさか………寝てる?









私、ほっとかれてる?









立ち上がって、軽くドアをノックした。









「どしたー?」









良かった、起きてた。









「入っても良いですか?」









「良いよ」









少しだけドアを開けたら、隆二さんは薄暗い部屋でベッドに腰かけていた。









Tシャツを傍らに置いたまま。









「………まだ、気にしてますか?今夜のこと」









「うーん………考え納めしてるだけだから気にしないで」









隣に座るのは何となく憚られて、固めのマットレスの感触を膝に感じながらベッドに上がって、隆二さんの後ろに座ってみる。









目の前にある隆二さんの背中。









ちょっと悲しそう。









「アヒル座り出来ますか?」









「え?」









「この座り方。男の人は出来ないって聞いたことある」









私の方に顔を向けた隆二さんが「何、急に」とちょっと笑った。









作り笑い。

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作者名:ぽち。 | 作成日時:2016年1月26日 20時

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