色戀、召しませ。 (ページ40)

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Continued. ページ40

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お店に入って“あ、立食なんだー”とか思っているうちに隆二さんは、早速誰かに呼ばれて行った。

もう………帰りたいな…………。

周りを見渡したら色んな人が目について心が折れる気がして、お店のテラスに移動した。

秋の風が気持ちよくて、遠くに沈みかけている夕陽がとてもキレイ。

夕陽が赤く見えれば見えるほど大気中のチリやスモッグが多い証拠。

私が拗ねれば拗ねるほど、隆二さんを好きな証拠。

夕陽が沈む瞬間が見えたりしないかなぁと、柵に手を置いてちょっと背伸びした。

「あ、ジミーチュウのパンプス履いてる」

背後からファッションチェックされて、私は思わず振り返った。

「臣く…………登坂さん、本当に詳しいんですね」

「いや、他の女子が噂してたの盗み聞きしただけ」

「噂？」

「それ予約しなきゃいけなかったやつなんでしょ？」

「あ、はい………」

臣くんは一つ椅子を引いて“どうぞ”と手のひらを出した。

「ありがとうございます」

私の向かいに座って、またもやジロジロ衣類を見だした。

「こないだ、ごめんね」

「え？」

「居酒屋のトイレ。おー、とか声かけたら良かったんだろうけど…………」

「いえ………」

臣くんは「どうしよっかな………」と腕くみをして首を捻った。

何が“どうしよっかな”なんだろう………

二人の間に沈黙の時間が流れる。

下を向きそうになった時、臣くんが店の中を指差した。

「人当たりが良いんだよね」

彼の指差す方には隆二さんが居た。

とっても楽しそうに談笑している。

「友達？隆二の」

「え、私ですか？」

「うん」

友達………じゃないような、知り合い………とも言えないような。