検索窓
今日:4 hit、昨日:19 hit、合計:1,706,240 hit

2 ページ36





ゆかりはベッド、私はフローリングに布団を敷いた。









「ねぇねぇ、寝たぁ?」









「ううん!………って修学旅行みたいじゃん」









「良いじゃん、たまには…………Aがさぁ、あんなに泣くって相当良い男なんだろねぇ」









「うーん、どうなんだろうね。二人っきりで会ったのなんて数えるくらいしかないから………」









「その数回で好きになったわけでしょ?」









「うーん…………ね?」









「ね?」









「……………良い夢、見させてもらいました」









「…………そうだね」









「おやすみ」









「おやすみ………………泣くなよ」









「………………泣いてないよ」









……………本当は、ちょっと泣いた。









私は、いつもの日常に戻った。









隆二さんとのことは、なかったことにして。









3日経ち、4日経ち、一週間経った。









あのコンビニには朝しか寄らないことにしている。









朝は物凄く混んでるから、会っても気付かないと思う。









気付いたからといって何があるわけでもないけど………。








.









.









その日、朝から熱っぽくて休みなのを良いことに部屋でダラダラしていた。









10月の陽射しが庭の芝生を輝かせているのを見ながら、ここにウッドデッキがあったら良いなと思った。









そんな立派なのじゃなくて、半日くらいで出来ちゃうやつ…………









───ピピッと鳴った体温計を見たら、平熱。









「熱ない…………」









頬は確かに熱いんだけどな。









寝転んだまま携帯で“ウッドデッキ”を検索した。









「んー………………」









小さいものでも結構するんだなぁと思いながら画面をタップしようとして、その指が止まった。









なかったことにしたはずの隆二さんの名前が着信音と共に現れた。

3→←Expectation.



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (521 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1867人がお気に入り
設定タグ:今市隆二 , 三代目
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぽち。 | 作成日時:2016年1月4日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。