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Bet. ページ44











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慎重に、慎重に、お茶を何度もフーフーする。









連れてこられたお店は、外階段があって、お茶が尋常じゃないくらい熱いあのお店。









メニューの料理名がお洒落すぎてなんのことか分からなかったので、隆二さんに全部任せた。









「嫌いなものある?」









「小豆です」









「まじで?変わってんね」









そうかなぁ?と思いながら隆二さんのメニューを捲る指先をジーっと見た。









この指で送られてきたメッセージで私は喜んだり泣いたりしたんだなぁ。









隆二さんがオーダーをしながら店員さんと世間話をしていて、今度は店員さんをジーっと見た。









何故こんなに熱いお茶を入れるのですか。









店員さんが居なくなって、隆二さんはテーブルに肘をついた。









「臣とめっちゃ喋ってたね」









「はい……隆二さんのことを」









「え、悪口?」









「違います!あの…………電話するって言って、結局会うことになったやつとか………あれが、凄く気になってて」









「あれは………え、言うの?」









「電話でも良かったわけじゃないですか、理由聞くだけなら」








臣くんに、話した方が良いよと言われたからか私は取り敢えず、思ってることは言ってみようとした。









「あれはねぇ、電話したいなぁと思ったんだけど何か恥ずかしいなー、やっぱするの辞めよー、でもやっぱ話したいなー、でもさっき出来ないって言っちゃったからなー、どうしようかなー、あ!会えば良いんじゃね!?…………って」











「……………へぇ」









隆二さんは不器用から一周回って、また不器用な人だと思った。









「今日の電話はもっと意味が分からなくて。その……理由聞いた夜でおしまいだと思ってましたから、私」









「なんで?」








「だって、理由聞きたかっただけって…………言ったじゃないですか」









何故か拗ねた心が出てきた。









「迷惑してんのかなって…………思って」









一瞬ぴりっとした空気を裂くように料理が次々運ばれてきた。

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作者名:ぽち。 | 作成日時:2016年1月4日 20時

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