イカロスの鍵。3 (ページ6)

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私が、こんな日でもテレビを観ながら食べたいと言ったせいなのか

みんな、お箸を動かしながら画面に釘付け。

「俺、分かった！犯人分かった！」

「岩ちゃん言うなよ絶対！」

得意気な岩田さんを臣さんがたしなめる。

「A」

隆二さんは“おかわり”と言うかわりに、食器を私に差し出した。

テレビを観ながら。

私の名前を呼ぶ隆二さんの声は、いつも優しい。

私がそう思っているだけかもしれないけど。

「あら…………」

5人が食べる量を完全に見謝ってしまって、早々に具材が尽きた。

「私、買ってくる」

「私も行く」

立ち上がった私の手を真希が引っ張った。

「大丈夫だって！誰が犯人か観てて」

財布だけ持って、階段をおりたら見慣れない車が停まっていた。

お姉さんの彼が来たときは、いつもあそこに白い車がある。

「黒のBM…………」

彼が買い替えたんだろうか。

早足でスーパーへ急いで、適当にカゴに放り込んで、アパートに戻ってきた時には車はもうなかった。