4 side T ページ47
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臣さんが、今日隆二さんに全部話すと連絡してきた。
もう話し合い終わったのかな。
殴り合いになってたりして………
そんなこと思いながら事務所のドアを開けた瞬間、いつもと雰囲気が違うと感じた。
男性陣が出払っていて、女性スタッフしか残っていなかったからだ。
たまたまだろうけど、いつもベロベロに酔っ払って目黒を徘徊している7人が揃っている。
そして、隆二さんの周りを徘徊している紗希も入れて8人の女性たち。
男一人なのが居心地悪くて、事務所の隅っこの椅子に座って、ボーッと辺りを眺めた。
A子とAは、パソコンの画面を二人で覗きこんでいて、その姿も何か雰囲気が………
それは、Aの服装のせいかもしれない。
体の隆起が出るような服を珍しく着ている。
“スキニーが似合う脚って、あーいうのよね”
真希がため息をついて眺めていたAの脚。
似合う脚というのがよく分からないけど、黒のスキニーは確かによく似合っている。
女性のお洒落は、周りを華やかにするなぁと思った。
ただ、華やかさには余計なものまで寄ってくる。
「先輩」
紗希がAの隣に、臆することなく座った。
“いい加減にしろよ”、声を掛けようとして俺は結局、口をつぐんだ。
Aの隣に紗希が座った瞬間に、二人を除く6人の女たちが、一斉に紗希に弓矢を構えたような気がしたからだ。
彼女たちは、きっと知っている。
Aと隆二さんと、紗希の間に起こったことを。
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作者名:ぽち。 | 作成日時:2015年10月27日 19時