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2 side T ページ41






「でも、もう無理…………」









その場にへたりこんだ彼女の背中をさする事くらいしか出来ない。









「…………今日は一人でいない方が良いよ。あ!あのヨットハーバーのレストラン、A気に入ってたよね?予約してあげるよ。ちょっと嫌な思い出もあるかもしれないけど、料理は凄く美味しかったよね」









真希にこんなこと言ったら怒られるかもしれないけど、









暫く逢わないでおこうって言った隆二さんの気持ち、ちょっと分かる。









「真希も明日は休みだし、あの傍のホテルに二人で泊まっておいでよ」









あの新人と居るのもさ、あーいう馬鹿みたいな女と居ると何にも考えなくて良いから楽なんだよ。









「ね?真希とさ………きっと、楽しいよ」









こんなことしか出来ない俺の言葉、信用できないかもしれないけど









隆二さんも、苦しいんだよ。









「ごめんなさい岩田さん…………ごめんなさい」









「良いんだよ…………自分のために泣きたいときあるよ」









洗面所にうずくまる彼女を“具合が悪いみたいだから帰してあげて”と他のスタッフに告げて









真希にメッセージを送って









俺は、撮影を終えて帰る前に臣さんを呼び止めた。









「臣さん、急いでる?」









「ん?別に」









「A帰ったよ」









「あっそ」









どうでも良いみたいな言い方………本当に、気に入らないのかなAのこと。









「何でそんな意地悪するんだよ」









臣さんは、口角をキュッと上げて微笑んだ。









「聞いてんじゃないの?Aに」









「聞いたけどさ…………そんな、押し退けられたくらいで」









「押し退けて、笑ったんだよ」









「だから?笑ったから何?」









「馬鹿にしてんだろって話」

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作者名:ぽち。 | 作成日時:2015年10月27日 19時

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