長い一日。 ページ25
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ベッドの中、願った。
今日は、きっと隆二さんと話せる。
開けたカーテンの向こうは、雨。
何だか気分が沈んでしまう。
支度をしながら、考えた。
臣さんの話を、隆二さんが鵜呑みにしていたとして
怒っているとして
私のことを嫌いになったんだろうか……………。
“気にしてないよ”
ならば、あの一言は何?
考えれば、考えるほど分からない。
雨降りの土曜日。
昼休み、真希と合流して例の「ごめんなさい会」だ。
これでA子の名前のカードからも靄が消えれば良いんだけど。
「先輩、ここなんですけど」
紗希ちゃんは、相変わらず声変わり前みたいな声で
相変わらず、みんなに溶け込めていない。
「んとねー、ちょっと休憩しながら説明しても良い?」
「あ、はい!」
雨のせいか、どうにも頭が重い。
私はコーヒーを二つ買って紗希ちゃんを衝立の中に誘った。
「はい、どうぞ。コーヒー飲める?」
「ありがとうございます!あ、お金」
「いい、いい!!」
律儀と言うか、何と言うか。
一通り説明し終わって、私は伸びをしてジャケットを脱いだ。
「何か、エアコン効きすぎじゃない?」
「そうですか?」
「うん」
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作者名:ぽち。 | 作成日時:2015年10月27日 19時