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「うん。いつ言うのかなーって思ってた」








「何か……今市さん、不器用ですね」






「不器用?………あれだけ色々してもらっといて良く言うね」






あれだけ………色々………







“これ?”






思わずギュッと左耳を摘まんだ。





「今、思い出したでしょ?」






いつだって、囁かれると表情筋は弛まないで体が硬直する。






「議題変えます!返事急かすのは何故ですか?あれ焦ります」






「何で考えるのかなぁって。一緒に観たいとか、手握って欲しいってごちゃごちゃ考えること?」






「考えるって言うか………良いのかなぁ?とか迷惑かなぁって思っちゃって」






「なんで?自分がそうしたいと思ったらすれば良いし言いたいこと言えば良いじゃん」






「あ…………はい」






海風が肌寒い。






「今市さん、そろそろ帰りませんか?」






「無理でしょ」






「え!?」






「9時過ぎてるよ」






「嘘でしょ!?」







彼の手を掴んで腕時計を見た。






「どーするんですか!」






「ねー?」






ねー?って………。今市さんは立ち上がって砂をはたいてから、私を立ち上がらせた。






「寒いね、ここ」






そして、私を置いたまま一人で歩いていく。






あ…………





「待って!」

3→←逆。



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作者名:ぽち。 | 作成日時:2015年7月14日 17時

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