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「じゃあ、休む代わりに、ここでも行ってきたら?」
先輩がピラッと2枚、チケットをくれた。
「水族館……良いんですか?」
「良いよ。2枚あるから誰か誘っても良いし」
「……あれ?これ今日までじゃないですか!」
「嘘!あ、本当だ!ごめん!じゃあ今日行ってきな!」
「先輩!これ微妙に遠いじゃないですか!」
「大丈夫だって!そうだなーすぐ電車に乗ったら、まぁ1時間は館内観れるよ」
水族館とか博物館とか美術館とか、絶対急かされたくない場所だけど………でも予定外の遠出は良い気分転換になるはず。
「あー、何か想像したら楽しいかも。一人水族館………」
「……そこ近くに海があるからね。近づいちゃダメだよ?」
「どういう意味ですか?」
頷くだけの先輩を気にしつつ、パッと仕事を終わらせて、電車の時刻を調べる。
「これで行けば乗り換えもスムーズかなぁ……よしっじゃあ行ってきます」
「はーい!気を付けてね」
エレベーターの前で、チケットを見た。
「駅から歩けなくもないか……」
「誰と行くの?」
隣に現れた今市さんは朝早くから撮影でもしていたのか、髪型がスッキリしている。
囁かれた左耳がムズムズする。
「一人で……」
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作者名:ぽち。 | 作成日時:2015年7月14日 17時