裏切りの制裁 ページ4
カンカンカンと音を鳴らしながら、廃ビルの階段を駆け上る。
俺が仕事終わりのスコッチに声をかけた途端、彼奴は今の廃ビルを逃げるように上ったのだ。
遂に屋上まで来ると、スコッチは鋭く焦った眼差しでこちらを見つめる。
「ッハーッハーッハー……」
「おい、何故逃げ」
文末を言い終える前に、スコッチが勢いよく殴りかかってくる。
俺はすぐさま拳を避け、スコッチを投げ飛ばした。
投げ飛ばされたスコッチは、手に持っている物を此方に向けてくる。
「……さすがだなスコッチ…俺に投げ飛ばされるフリをして俺の拳銃を抜き取るとは…」
「ハァ…ハァ…ハァ…」
「命乞いをするわけではないが…俺を撃つ前に話を聞いてみる気はないか？」
「け、拳銃は…お前を撃つために抜いたんじゃない…」
……まさか
「こうする…為だ！！」
…やはり
「無理だ…」
スコッチは抜いた拳銃を自分の左胸に向けていた。だが、
「リボルバーのシリンダーをつかまれたら…人間の力で
そう。俺はリボルバーのシリンダーをつかみ、スコッチを自i殺できないようにしたのだ。
これが、アンとの約束だと思ったから。
「自i殺は諦めろスコッチ…お前はここで死ぬべき男ではない…」
「何！？」
スコッチを殺さないため、俺は全てを明かした。
「俺はFBIから潜入している赤井秀一…お前と同じ奴らに噛み付こうとしている犬だ…
さぁ、わかったら俺の話を聞け…お前一人逃がすぐらい造作もないのだから…」
「あ、あぁ…」
これで全て終わり。だと思った。
再び、カンカンカンと階段を駆け上る音が鳴り響いたのだ。
組織の人間か…！？
コンマ一秒も経たず、ドンッと銃声の音が響いた＿＿＿
＿＿＿目下には、左胸を撃たれ息をしていないスコッチが壁に寄りかかっていた。
なるほど…拳銃を奪ったのはコレを壊す為だったのか…
家族や仲間のデータが入っていたであろう、この携帯を…
血塗れになったスマホを眺めていると、階段を上り終えたバーボンが此方を向いて驚愕の表情を見せている。
「…裏切りには制裁をもって答える…だったよな？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 79人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カイ(プロフ) - やっちさん» わ！コメントありがとうございます🥲まだまだ続くので気長にお待ちくだされ。 (2022年8月18日 13時) (
レス) id: cafed346d9 (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 良いお話ですね。続きを楽しみにしてます (2022年8月18日 10時) (レス) @page22 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カイ | 作成日時：2022年7月13日 17時
