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Sherry ページ25

「ピスコを射殺した」



きっと一通りのことが全て終わったであろう時間に、その知らせは届く。



『…ピスコってあの方のお気に入りじゃなかったかしら』


「あの方直々の命令が下ったんだよ、あの老いぼれもあの世で粋がらねぇようにな…」



酷い言いようがパッと出てしまうジンの酷さには、もう慣れてしまったと言っても過言では無い。



『それで?わざわざ通話までして言うほどのことじゃないでしょう?……シェリーはどうしたの』



ジンは私が久々にこんな言い回しをしたのが嬉しかったのだろうか、それとも私からシェリーの話を持ち出したことに納得したのだろうか、フンと鼻を鳴らした。



「どっかの男とどっかの街でしけこんでるだろうよ」



……ジンのことだから、とっくに殺ってるものだと思っていた。



『…大丈夫なの?それ。というか男って何?』



湧き出る疑問を抑えられずにいた私に、ジンはワンテンポ遅れて言葉を発する。



「俺がシェリーを撃ってる途中に、シェリーを助けに来たんだろう…物陰に隠れながら煙突に入って逃げろと叫んでてたぜ」


『…シェリーは探さないの?』


「シェリーは俺たちに顔を見られたこの街に留まるほど馬鹿じゃない…ってことは、もう何処かの街にでも移動してひっそりと暮らすんじゃねぇか?
…だが見つけてやる、あいつは組織の全てを知りすぎた…」



電話越しでも背中が震え立つくらい、ドスの効いた低い声でジンは言う。…本気だ。



『…わかった、報告ありがと』



通話を切り、何度吐いたかわからない溜息をする。


シェリーちゃんが、まだ生きているということは、正直凄くよかった。だが、ジンだって一筋縄じゃいかない男だ。きっとまた、見つけ出すだろう。


その度に彼女は怯えなくてはいけない。いや、毎日怯える日々になると思う。





あんな若い彼女の幸せを、ただ願うだけの自分は非常に疎かだ。

作者です。→←Sherry



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設定タグ:赤井秀一 , 名探偵コナン , 降谷零   
作品ジャンル:その他
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カイ(プロフ) - やっちさん» わ!コメントありがとうございます🥲まだまだ続くので気長にお待ちくだされ。 (2022年8月18日 13時) (レス) id: cafed346d9 (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 良いお話ですね。続きを楽しみにしてます (2022年8月18日 10時) (レス) @page22 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カイ | 作成日時:2022年7月13日 17時

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