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「あ、せや、タオル取りに来たんやった」
思い出したように言って教室へ歩を進める宮治。
さて、私も帰るか、と再び歩きだそうとしたとき、
「あー...もう、あかん...」
そう言って、宮治はその場にうずくまった。
「え...？え、ちょ、だいじょうb..」
ぐうぅぅぅぅう〜
「は、腹減った...」
「...はい？」
この人、今なんて言った？？
ハラヘッタ...？？
「え、えっと...お腹痛いんじゃなくて、お腹すいた、の...？」
「...いつもは補食としておにぎりあんねんけど、今日持ってくんの忘れてん...」
あぁ、もう力入らん、と弱々しくつぶやく彼の姿が、いつかのあいつと重なった。
��──いっつも部活前、おにぎり食べてるよね。ちゃんと動けるの？��
��──これは補食。お腹すきすぎると俺は逆に動けなくなるからね��
��──...あんたの好物おにぎりなのか菜の花なのか、どっちなのよ��
��──...おにぎりは好物、菜の花は大好物。はい、部活行くよ、A��
既に懐かしく感じる、親友であり、ライバルでもあった人物のことを思い出して、ツキン、と胸が痛んだ。
同時に、ふふっ、と自然な笑みがこぼれる。
そんな私をみて、眉を顰める宮治。
「...なに笑とんねん」
「ううん、ごめん、昔の知り合いで似たような人がいてね...
あ、今日買った購買のプリンあるけど、いる？」
お昼の時間、クラスの女子に連れて行ってもらって買ってみたものの、混みすぎていた購買に時間をとられて結局食べ逃してしまったやつだ。
「プリン...！ええの...？」
プリンという単語にぴくっ！と反応する宮治は、何かの小動物を思わせる。
いや、可愛いな、男子高校生。
「いいよ、そんな高いものじゃないし、食べ損ねちゃったやつだし、はい。
保冷バッグの中だったから傷んではないと思うけど、ちょっとぬるいかも」
「かまわん！！いただきます！！！」
え、ここで食べるの...？
と驚く私をよそに、あっという間に平らげてしまった。
それにしても、すっごい幸せそう...見てるこっちまで頬が緩みそうになる。
「...あ、」
「ン？」
そういえば、と思いカバンをごそごそと探る。
取り出したのは、エネルギーゼリーとカロリーメイト。
バレーをやっていたときの名残で未だ持ち歩いている、私の補食 ──それを、宮治に差し出す。
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作者(プロフ) - 華夏さん» コメントありがとうございます。嬉しいです！のろのろ更新ですが...頑張らせていただきます。(^^) (2021年11月2日 23時) (
レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 怜さん» コメントありがとうございます。作者にとってはとても嬉しい言葉です。お待たせしてしまって申し訳ないです...頑張らせていただきますね(*^^)v (2021年11月2日 23時) (レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)
華夏(プロフ) - これからも更新頑張ってください！! (2021年11月2日 22時) (レス) id: 4bbf064d28 (このIDを非表示/違反報告)
怜 - 好きです((((更新をください← (語彙力捨てた人) (2021年10月30日 20時) (レス) @page41 id: 2ad41d25ee (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - naonaoさん» コメントありがとうございます。頑張らせていただきますね！(^^) (2021年10月26日 7時) (レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：作者 | 作成日時：2021年8月1日 23時
