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協定項目9 ページ10

喫茶うずまきに来ていた社員達。

皆が皆、思い思いに寛いでいる。

そんな中、ナオミが声を上げた。


「前から気になっていたのですけど太宰さんと星深さんの馴れ初めが聞きたいですわ!!」


身を乗り出してAと太宰を見つめるナオミ。

「え、馴れ初め?」

「そうですわ!お二人が出逢って、何時恋に落ちたのか!兄様も気になりますわよね?」

「まあ…確かに。」


顔を見合せる太宰とA。


「馴れ初めか…話しても良い?A。」

「どうぞ。話盛ったりしないでよ。」


クスリと笑みを溢し、太宰は話し始めた。


・・・


「お疲れ様です。」


国木田に怒られ、残業をしていた太宰の机にAはお茶を置いた。


「有り難う。えっと、君は……。」

「星深です。」


すっかり夜も更けていた頃、社内に居たのはAと太宰だけ。


「星深さんか。君は帰らないの?」


太宰の問いにAは平坦な声で返した。


「帰りますよ。」


そう云いながらもAは其所から一向に動かない。

じっと、太宰が作業しているのを見つめていた。

太宰はそれに気付きながらも何も云わずに作業を続けた。


「…其所、打ち間違えてます。」

「あ、本当だ。」


時折、Aは太宰の間違いを指摘する。

その時、何処かで物音がした。


「ん…?何か落ちたかな?」


太宰がそう云い、Aを見たらAは青ざめた顔で固まっていた。


「星深さん?」

「あ…いえ、何でもないです。大丈夫です。」


大丈夫そうには見えないけどなぁ…。

そう思いながらも太宰は何も云わなかった。

外では強風が吹き、不気味な音を立てる。


「…わあっ!!」

「う、わぁぁああ!!!?」


大声を上げて驚き、Aは尻餅を付いた。

そんなAの様子を見て太宰はクスクスと笑う。

「ふふっ、矢っ張り怖かったんだ。」


Aが帰らずに、ずっと太宰の近くに居た理由。

それは、一人で帰るのが怖かったからである。


「っ…怖くなんて無いですし。」

「嘘はいけないよ〜?先刻も物音でビビってたじゃないか。」

「ビビってません!!」


予想通りの反応をするAに太宰は愉しげに笑った。


*********************
少し、過去の話が続きます。

シリアスでは無いです。

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(プロフ) - 分かりました! (2017年4月1日 13時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
スターチス(プロフ) - 和さん» 実は私お友達申請などのしくみがよく分からなくて…私もぜひお友達になりたいので教えてくださいませんでしょうか。 (2017年4月1日 11時) (レス) id: 134aa8d2bb (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - お友達申請してもいいですか? (2017年4月1日 1時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
medaemon(プロフ) - スターチスさん» 頑張って下さい!!待ってますよ! (2017年3月31日 9時) (レス) id: ca66a711e7 (このIDを非表示/違反報告)
スターチス(プロフ) - medaemonさん» そんな、全然上から目線なんかじゃないですよ。コメントしていただいただけでありがたいです。最近あまり更新出来ていませんが、頑張りますね! (2017年3月30日 22時) (レス) id: 134aa8d2bb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スターチス | 作成日時:2017年1月31日 1時

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