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協定項目4 ページ5

暗くなった道を歩く太宰とA。

その手はしっかりと繋がれている。


「A、寒くないかい?」

「ん〜…一寸、寒いかも。」


微かに躰を震わせたA。

それを見た太宰が一度、繋いでいた手を離すと自身の外套をAに掛けた。


「え、治が……。」

「大丈夫大丈夫。私はAに引っ付いとくから。それに、Aと居るだけで温かいよ。」

再度、手を繋ぐと太宰はそう云う。


「風邪引かないでよ?」

「大丈夫さ、これぐらいで風邪なんて引かないよ。ああ、でも、Aに看病されてみたいな。」

嬉しげにそう云った太宰にAは苦笑した。

そして、太宰に寄り添う。


「ふふ、矢っ張り可愛い。」


うっすらと笑みを浮かべた太宰がAの髪に手を通した。


「…どうも。」

「素直に嬉しいって云えば良いのに…。」


二人の吐く白い息が暗闇に紛れて消えていく。


「ね、A。接吻しても良いかい?」

「は!?何でいきな」


云い切らない内に唇が重なった。

お互いの熱が唇を通して伝わっていく。

偶然その場に居合わせた通行人が恥ずかしそうに通りすぎていった。


「はっ……ちょっ、人居たのに…っ。」


あまりの羞恥で太宰の顔を見れないA。


「A……お腹空いてるかい?」


突拍子の無い質問にAは思わず「は?」と返した。


「…別に、空いてないけど。」


何となく嫌な予感がする。

Aはそう思いながらも答えた。


「なら、今夜…良いよね?帰ったら続き、しようか。」


そう云った太宰の瞳は熱を帯びて、引き寄せられるぐらいに魅力的だった。

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(プロフ) - 分かりました! (2017年4月1日 13時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
スターチス(プロフ) - 和さん» 実は私お友達申請などのしくみがよく分からなくて…私もぜひお友達になりたいので教えてくださいませんでしょうか。 (2017年4月1日 11時) (レス) id: 134aa8d2bb (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - お友達申請してもいいですか? (2017年4月1日 1時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
medaemon(プロフ) - スターチスさん» 頑張って下さい!!待ってますよ! (2017年3月31日 9時) (レス) id: ca66a711e7 (このIDを非表示/違反報告)
スターチス(プロフ) - medaemonさん» そんな、全然上から目線なんかじゃないですよ。コメントしていただいただけでありがたいです。最近あまり更新出来ていませんが、頑張りますね! (2017年3月30日 22時) (レス) id: 134aa8d2bb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スターチス | 作成日時:2017年1月31日 1時

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