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協定項目37 ページ38

電車に乗って、A達は故郷を後にしていた。

流れる景色を見ながら、Aが呟く。


「…ちょっと、寂しいなぁ。」


Aの言葉に太宰は少し微笑むとAの頭に手を乗せ、優しく撫でた。


「また来れば善いじゃないか。」


Aは目を細める。


「…私さ、父さんに頭撫でられるのが好きだったんだよね。父さんの手、凄い温かくて。」


そう云って、Aは太宰の肩に頭を乗せた。


「治の手も、温かい。」


太宰は何かを云おうとしたが、何も云えない。

何かを云おうとしても言葉が浮かばないのだ。


「初めて治の手に触れた時、凄い冷たかった。それだけだったのに何だか悲しくて。勝手に私が温めてあげなきゃなって思ったんだよね。まだ付き合ってもなかったのに。」


Aはクスクスと笑いながらそう云う。


「でも、他の人だったらそんなこと思わなかったと思う。治だったから……」


突然、太宰がAを強く抱き締めた。

他の乗客が思わず二人を見る。


「ちょっと、治っ⁉」


乗客に見られている羞恥からAは慌てて太宰を引き剥がそうとするが、太宰は離さない。

それどころか更に力を強めた。


「…治、若しかして、泣いてる…?」


驚いたようにAは呟く。

微かに震えている太宰の躰。


「ん、ん〜、如何しろっての…。」


太宰が泣くとは思わなかったAは戸惑い、複雑な表情をする。

ぎこちない動きで太宰を抱き締め返し、今度はAが太宰の頭を撫でた。


・・・


「…ごめん。」


電車から降りた後、太宰がAに謝る。


「別に善いけど…何処に泣く要素があったかな。」


困ったようにAが笑った。


「…君の言葉は、私の心に刺さってくる。何時も。」


駅から出た後、近くのベンチに座った二人。

Aは黙って太宰の話を聞く。


「…昔の私は、思いもしなかったことを思うようになった。」


太宰が自身の手のひらを眺める。


「生きたい…生きて、君を守りたい。」


太宰の声が次第に震えを帯び始める。

Aは俯いて、拳を握った。


「昔は…死に場所ばかり求めて、決して胸を張れるような仕事もしていなかった。そんな私がそんなことを思うようになったのだよ。」


耐え切れなくなったAが太宰に抱き付く。

先刻の太宰に負けないくらいの力で抱き締める。


「君のお陰だ。」


ありがとう、と云うようにそっと太宰がAを抱き締め返した。

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(プロフ) - 分かりました! (2017年4月1日 13時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
スターチス(プロフ) - 和さん» 実は私お友達申請などのしくみがよく分からなくて…私もぜひお友達になりたいので教えてくださいませんでしょうか。 (2017年4月1日 11時) (レス) id: 134aa8d2bb (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - お友達申請してもいいですか? (2017年4月1日 1時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
medaemon(プロフ) - スターチスさん» 頑張って下さい!!待ってますよ! (2017年3月31日 9時) (レス) id: ca66a711e7 (このIDを非表示/違反報告)
スターチス(プロフ) - medaemonさん» そんな、全然上から目線なんかじゃないですよ。コメントしていただいただけでありがたいです。最近あまり更新出来ていませんが、頑張りますね! (2017年3月30日 22時) (レス) id: 134aa8d2bb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スターチス | 作成日時:2017年1月31日 1時

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