協定項目29 ページ30
「A、何でそんなに離れてるの。」
仕事終わり、何時も通り太宰とAは二人で帰っていた。
然し、その距離は何時もより離れている。
「き、気のせいじゃない?」
「絶対気のせいじゃないと思う。2米ぐらい離れてる。」
太宰が立ち止まり、Aの方を向いた。
Aも立ち止まるが、太宰と顔を合わせようとしない。
「Aが照れ屋さんってのはよく知ってるけど、私達結婚してるんだよ?幾ら何でも恥ずかしがりすぎじゃないかい?」
「うぅ……そうだけど…。」
気まずそうな顔をするA。
太宰は暫く考え込むと、素早くAに近付き手を取った。
「飲みに行こう。」
「え、え?」
「君がずっとその調子だったら私も過ごしずらいよ。酒の力で忘れれば良い。」
そのまま太宰は歩き出す。
Aは繋がれた手を一瞬見て、太宰に促されるまま付いていった。
・・・
「治が悪いんだからねぇ、うん、治が悪い。」
Aは完全に酔っていた。
太宰が酔わせたと云った方が正しいが。
「何でそんなに格好いいの、すごい腹立つ。」
机に勢いよくグラスを起き、太宰を指差す。
「一々行動が様になる。偶にめっちゃ可愛い。」
太宰の肩を掴んでAは揺らし始めた。
「正直、何回治に殺されかけたか。」
ため息をついてAは太宰の膝の上に頭を乗せて横になる。
「こんなに本気で人を好きになったの初めてだよ。」
太宰に抱き付き、Aはそう云った。
「あ、そう云えば今度の休み実家帰るけど治も来る?つーか、来い。」
また太宰を指差し、命令口調でAが云う。
「勿論だよ。Aが行くところなら私は何処にだって行く。」
太宰の言葉にAは満足そうに微笑んだ。
そして、目を閉じて寝息をたて始める。
「こんなに本気で人を好きになったのは初めて…か。ありがたい言葉だね。」
太宰は顔を近付け、そっと口づけた。
「私と結婚してくれてありがとう、A。」
壊れ物を扱うように頬を撫で、優しく太宰は微笑んだ。
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和(プロフ) - 分かりました! (2017年4月1日 13時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
スターチス(プロフ) - 和さん» 実は私お友達申請などのしくみがよく分からなくて…私もぜひお友達になりたいので教えてくださいませんでしょうか。 (2017年4月1日 11時) (レス) id: 134aa8d2bb (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - お友達申請してもいいですか? (2017年4月1日 1時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
medaemon(プロフ) - スターチスさん» 頑張って下さい!!待ってますよ! (2017年3月31日 9時) (レス) id: ca66a711e7 (このIDを非表示/違反報告)
スターチス(プロフ) - medaemonさん» そんな、全然上から目線なんかじゃないですよ。コメントしていただいただけでありがたいです。最近あまり更新出来ていませんが、頑張りますね! (2017年3月30日 22時) (レス) id: 134aa8d2bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スターチス | 作成日時:2017年1月31日 1時