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協定項目20 ページ21

「36度5分…熱は下がったね。」


体温計を手に、太宰は呟いた。


「おー、良かっごほ、ゴホッ。」


昨日は掠れた程度の声が今日は完全に枯れている。


「今日も仕事休んだ方が良いね。」

「お、さごほっ、駄目だ声がっ…。」


太宰はAの背中を不安げな表情で撫でる。

仕方が無いようにAは携帯に文字を打ち込み、太宰に見せた。


『治は仕事行って良いよ』


その文を見た瞬間、太宰は拗ねたように云う。


「Aを置いて仕事に行ける訳がないだろう。それに、Aが居ない職場なんてつまらない。」


Aは太宰の言葉に困ったような表情をした。

少し考える素振りをすると、また携帯に文字を打ち込み始める。


『でも、確か今日は治が担当の依頼があったと思うけど』

「国木田君に任せれば良いよ。私はAと離れたくない。」


唇を尖らせる太宰。


『私充分元気になったんだけど』

「でも、声がろくに出てないじゃないか。」


Aが何かを云っても、太宰はそれを否定する。

堂々巡りだ。

Aがため息をついた。


『頑固なんだから…』


呆れたように、然し、何処と無く嬉しそうにAが肩を竦める。


「今日もご飯食べさせてあげる。」


満面の笑みで云った太宰。


『厭です』

「だーめ。Aは病人なんだから。」

『ご飯ぐらい自分で食べられるって』


ご飯を食べさせるか、自分で食べるかでモメた太宰とA。

最終的に折れたのはAだった。

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(プロフ) - 分かりました! (2017年4月1日 13時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
スターチス(プロフ) - 和さん» 実は私お友達申請などのしくみがよく分からなくて…私もぜひお友達になりたいので教えてくださいませんでしょうか。 (2017年4月1日 11時) (レス) id: 134aa8d2bb (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - お友達申請してもいいですか? (2017年4月1日 1時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
medaemon(プロフ) - スターチスさん» 頑張って下さい!!待ってますよ! (2017年3月31日 9時) (レス) id: ca66a711e7 (このIDを非表示/違反報告)
スターチス(プロフ) - medaemonさん» そんな、全然上から目線なんかじゃないですよ。コメントしていただいただけでありがたいです。最近あまり更新出来ていませんが、頑張りますね! (2017年3月30日 22時) (レス) id: 134aa8d2bb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スターチス | 作成日時:2017年1月31日 1時

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