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協定項目2 ページ3

「治!早くしないと遅刻する!!」


夫を急かすA。

然し、太宰は特に急ぐ様子もなく、のんびりと準備していた。


「せっかちだなぁ、Aは。遅刻なんて何時ものことじゃないか。」

「あんたはね。」


結婚したからと云って、太宰のサボり癖が直った訳ではない。

偶にAまで巻き込まれて遅刻することもあるぐらいだ。


「先刻はあんなに優しかったのに…。」


少しだけ肩を落とした太宰。


「はぁ……治。」

「何だい?A。」


Aはため息をつき、云った。


「今日蟹缶抜きにするよ?」

「えっ!?」


その言葉に慌てて準備を始めた太宰。

そして直ぐに家を出られる状態になった。


「……どれだけ蟹好きなんだよ。」


思わずAがそう呟けば、太宰がニヤニヤしながらAを見る。


「あれ?若しかして嫉妬?蟹に?」

「んな訳ない!」


蟹に嫉妬するなど有り得ない。

相手は人間ですら無いのに。

…自分より蟹の方が好きなのかと一瞬思ったが。

と、脳内でAは思っていた。


「安心し給え。後にも先にも愛するのは君だけだし、君以外を愛するつもりもない。」


思わず息を止めてしまうぐらいに美しい笑みを浮かべ、太宰はAを見る。


「…何でサラッとそんな恥ずかしい台詞云えるかな。」

「格好いいから?」

「…………。」


自惚れんなよこの野郎、と云う視線を寄越しながらもAは否定はしなかった。

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(プロフ) - 分かりました! (2017年4月1日 13時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
スターチス(プロフ) - 和さん» 実は私お友達申請などのしくみがよく分からなくて…私もぜひお友達になりたいので教えてくださいませんでしょうか。 (2017年4月1日 11時) (レス) id: 134aa8d2bb (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - お友達申請してもいいですか? (2017年4月1日 1時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
medaemon(プロフ) - スターチスさん» 頑張って下さい!!待ってますよ! (2017年3月31日 9時) (レス) id: ca66a711e7 (このIDを非表示/違反報告)
スターチス(プロフ) - medaemonさん» そんな、全然上から目線なんかじゃないですよ。コメントしていただいただけでありがたいです。最近あまり更新出来ていませんが、頑張りますね! (2017年3月30日 22時) (レス) id: 134aa8d2bb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スターチス | 作成日時:2017年1月31日 1時

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