協定項目18 ページ19
朝、国木田の携帯に着信があった。
「もしもし。」
『国木田君……。』
国木田が電話に出れば、聞こえてきたのは太宰の沈んだ声。
「太宰、お前は何処でフラフラしてる。遅刻だぞ。」
苛立ちを隠さずに国木田は云った。
何時もなら「ごめんごめ〜ん」などと受け流すが、今日は違った。
『否、家に居るんだけど、今日行けないかもしれない。』
国木田は驚く。
以前は無断欠勤など普通にしていた太宰が態々連絡をいれたことに。
結婚して矢張り変わったな、と思いながら国木田は理由を尋ねた。
「星深もなのか?何故だ?」
『実は…』
やけに元気の無い声で太宰は云った。
『Aが風邪を引いたんだ。』
・・・
___寒い。
Aが起きた時に感じたことはそれだ。
「お、さむ……?」
Aは重い躰を何とか起こした。
何時もなら隣に居る筈の太宰が居ない。
それだけで酷く不安を感じた。
「……げほっ。」
喉に感じた痛みと共に咳が出始めた。
次第に咳が酷くなり、止まらなくなる。
呼吸がろくに出来ず、目に涙が浮かんだ。
その時、慌てたように太宰が寝室に入ってきた。
Aの背中を擦り、水を差し出す。
「ぅ……あり、がと…。」
Aは水を飲んで多少は落ち着いたが、喉の痛みは治まらない。
「…大丈夫?…じゃないよね。」
太宰が心配そうに眉を寄せ、云った。
「先刻、探偵社には連絡入れたから今日はゆっくり休んで。」
そう云うと、Aの躰をゆっくりと倒し、布団を掛ける。
「薬とか買いに行くけど、何か欲しいものあるかい?」
太宰の問いにAは少し掠れた声で答えた。
「取り敢えず喉に良いもの……。」
その答えに太宰は微笑むとAの頭を撫でた。
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和(プロフ) - 分かりました! (2017年4月1日 13時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
スターチス(プロフ) - 和さん» 実は私お友達申請などのしくみがよく分からなくて…私もぜひお友達になりたいので教えてくださいませんでしょうか。 (2017年4月1日 11時) (レス) id: 134aa8d2bb (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - お友達申請してもいいですか? (2017年4月1日 1時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
medaemon(プロフ) - スターチスさん» 頑張って下さい!!待ってますよ! (2017年3月31日 9時) (レス) id: ca66a711e7 (このIDを非表示/違反報告)
スターチス(プロフ) - medaemonさん» そんな、全然上から目線なんかじゃないですよ。コメントしていただいただけでありがたいです。最近あまり更新出来ていませんが、頑張りますね! (2017年3月30日 22時) (レス) id: 134aa8d2bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スターチス | 作成日時:2017年1月31日 1時