No.2いざ、雄英へ ページ3
もし、通うとしたらここから雄英まで電車の乗り換えを考えたら、約3時間ぐらいかかる。交通費だけで痛い。
なら、学校の近くのアパート借りたりしたらいいんじゃないか？それでも生活費などを考えたら中々の値段になる。
推薦なら入学費とか色々安くなるし、お得だと思ったんだけど…。
これは厳しいかな…。
「…いいんじゃない？行って来なさいよ、雄英」
「え！？」
振り向くと時野さん、お母さんがにっと笑いながらこちらを見ていた。
「で、でも…」
「気を使わなくていいの。文乃、ヒーローになりたいんでしょ？」
「え…？な、何で知って…」
そう、私はヒーローになりたい。
ヒーローになってテレビとかに出れば、みんなに気付いて貰えるかもしれない。それともう一つ。真っ赤な色はヒーローの色だから。
「文乃は昔から気を使う子だったからね。甘える時は甘えていいんだよ？雄英からの推薦なんて凄いじゃない！行っといで！」
「お母さん…」
「雄英でしっかり学んでヒーローになって来なさい」
胸が熱くなる。
私…、本当にいい場所に恵まれたなぁ。
雄英。行くだけ行こう。やれるだけやってみよう！
「…ありがとう、お母さん。私、この推薦受ける事にする！」
「うん。頑張ってね、文乃」
「うん！」
そうして、私は雄英の推薦を受ける事にした。
＊＊＊
「や、やっと着いた〜。あそこが雄英…」
あれから数ヶ月が経ち、私は雄英の地区を訪れていた。
私が孤児院を出発する時、子ども達がとにかく凄かった。泣いたり、叫んだり。行かないで！って泣かれた時はどうしようかと。でもお母さんが止めてくれたので、何とかここに来れたのだ。
「凄い都会だなあ…。今までいた所は田舎だったから。…何だか懐かしいな」
雄英は大きいのですぐ場所がわかった。丘の上に聳え立つA？と書かれている建物。写真と同じなのでおそらくそうだろう。
よし、何で私が推薦されたのかわからないけど、精一杯頑張ろう！
…でも、私の個性、全然戦闘向きじゃないんだけど。それも承知で推薦くれたのかな？う〜ん？考えてもわかんない…。
考え事をしていたらドンと肩が人にぶつかる。
男の子で私と同じくらいの年だろうか。
「わっ！あ、すいません！」
「…いえ」
…！うわぁ〜！この人凄いカッコいい人だ！
立ってるだけでイケメン感が凄い。髪型はめでたい紅白。目はオッドアイだが、片方側は痛々しい火傷を負っていた。
それを見た私は何故か、胸が苦しくなった。
続く (更新停止中)
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作者名：サヒア | 作成日時：2018年2月22日 3時
