必ずまた逢える。【文スト】 (ページ2)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:194 hit

第2話水沢萌華の家ページ2

「へぇ、綺麗な家だな。」

「そっそんな！それほどでも有りませんよ！」

いや、本当に綺麗だぞ？

白い外壁に手入れが行き届いている庭。
煉瓦があるのも素敵だ。

「お邪魔させてもらう。」

「「おじゃましまーす！」」

中から、とたとたと男の子が歩いて来た。

10歳くらいか……？
と思っていると、

「え？え？ええ？こ、小泉八雲！？」

は？い、いや、私の知り合いだった奴なのか？

「ちょっと！光輝！…八雲さん、この子は、その」

「ごめんな。今一寸記憶が曖昧と言うか、無い…と言うか。」

男の子は、此方をキラキラした顔で見ている。

なんか…覚えてなくてごめんな。

「と、取り敢えず二階に行ってて下さい！お茶でも持って来ます！何が良いですか？」

「私オレンジ～」
「あ、私コーラで～」

「お前らには聞いとらんわッ！」

クスクスと笑う彼女達の間に入るのもなんだしなーと思い見ていると、又聞かれた。

「じゃあ……水で頼む。」

「分かりましたっ！七海、カナりん、ちゃんと部屋まで案内してよ！？」

「「おーけー！たいちょー」」

この子達のやりとりを見ていて、プッと吹き出してしまった。

面白いな。

「さあ！いきますよー！八雲さん！」
「おーー！」

「お、おー！」

ププッ、可愛らしいもんだ。

部屋についたんだが、此方もまた綺麗な部屋だな。

薄い紫を基調とした壁紙に、白で統一された家具。モデルルームっていうのか？

なんて思っていると、もう萌華が来た。

早いな。

「はぁーい。おまたー」

ことん、ことんと、白いテーブルに飲み物の入った可愛いカップが置かれて行く。

センスいいな。

「いやー、やっぱ萌華ってセンスばっつぐんだよねぇ！」

「これで秘蔵の漫画が無ければ完璧な乙m((グハッ」

それを八雲さんの前で言うか。

萌華の心は完全なるソレであった。

…
結局何やかんやあり、なぜか私は此処に住まわせて貰う事になった。

弟の光輝くんの話によれば、萌華は私のファンらしい。

私って、なんだったんだろ…。

ふと、そう思った。

まぁ、今は、いいか。

そう思い、貸してもらった布団で眠りについた。