04.名前 ページ5
『いらっしゃいませー』
ピンポーンとお客が入って来たときは…。
まずこの一言から始まる。
ちょうどその頃、パンの仕入れをしていたから。
正直この角度からじゃ、お客の顔は見えない。
・
・
?『あのさ、唐揚げってできてんの?』
『すみません、唐揚げはまだ…』
?『あんた…』
『はい?何か??』
黒いキャップにサングラス。
サングラスを見るだけで、あの男の記憶がよみがえってくる。
いったい何なの?
黒いサングラスって、最近流行ってるわけ??
・
・
忠『亮ちゃん、唐揚げ買えたん?』
背の高い男性が、ヒョイっと後ろの方から現れた。
忠『ん?誰なん??自分』
かわえーなぁ…なんて呟きながら、私の頭をクシャクシャにする。
『ちょっ!!』
亮『大倉、止めとけって。こいつ男慣れしてへんから』
この鼻で笑ったような顔。
あの男と同じだ!!!!
『あんた!!』
亮『気付くの遅いんとちゃう?Aちゃん』
私が着ているコンビニの制服。
そこに付けられた名札を見ながら、彼は満面の笑みで呟いた。
◎名前
『馴れ馴れしく呼ばないでください!!』
亮『いーじゃん、キスした仲やろ?』
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作者名:みはる | 作成日時:2013年2月6日 22時