人を斬ったから俺、斬らないから俺【暁のヨナ】 (ページ9)

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「娘さんっ、お待たせ！」

憎らしい、満面の笑顔。

何だこいつ……
どうしてそんなに笑ってられる？

わけが分からねぇ。

「……なあ俺もう帰りたいんだけど」

「帰る家なんてねーだろ、
ちょっとくらいここにいろよ」

ゼノが囁く。

「……うぜぇ」

こちらも小さい声で返すと、
ヨナが不思議そうに小首を傾げる。

「なんの話をしてるの？」

「あ、娘さん、
こいつも一緒に旅してくれるってさ、
なーっ、アレグ！」

無言の圧が発せられる。

「……ああ、だが暇つぶしだ。
飽きたら即、退散させてもらうんで」

下手な事を言えば自分の正体を明かされる。

一応口を合わせておくことにする。

「あら、そうなの？」

まだ不思議そうな顔のヨナに、
アレグは密かに
『鋭き天然』というあだ名をつけた。

「ああ、まあガキのお守りは御免だし、
闘うのも面倒だ。
そっちはそっちで自己防衛、
こっちも勝手についてくだけな」

「ふーん」

「ほう」

ゼノとアレグの間に流れる空気を感じたのは、
その七人の大所帯のなかで、
ハクとジェハだけだった。

だが、その不穏な空気の正体が
明るみに出るのは、
かなり先のことになる……

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皆さんこんにちは、清川新です。

更新頻度を一週間以内にすると言っておきながら、
１か月以上放置してしまい、
申し訳ありません。

ここで第1章が終わりましたので、
これからもよろしくお願いします。