人を斬ったから俺、斬らないから俺【暁のヨナ】 (ページ8)

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「入ってくるなりちょっと待ったじゃねーよ！
バーーーカバーーーーーカ！
龍がなんだろうと関係ねーっつってんだろ！
てめーはテキトーに緋龍と仲良くやんな！
俺はもうここを出る！じゃな！」

勢いよく立ち上がるが、ジェハに引き止められる。

「君は龍のことを知ってるのかい？」

「……あ」

ゼノが何かいいかけたが、
その前に口を塞がれる。

「ちょっとわりーけど、こいつと話していいか？
なんせ久しぶりの再会だし、さ」

腹減りたちから少し離れた位置に行き、
彼等から見えない位置に来た途端、
アレグはゼノの首に刃物を押しつけた。

「あいつらの前でよけーなこと言ってみろ、
この首切り裂いて鯉の餌にしてやる」

「んなことしてもゼノは死なないから」

「死なねえから言ってんだろ。
生きたまま首切り裂かれるって
どんな感じなんだろうなァ」

思わせぶりな台詞を吐きながら、
刃物を首筋に滑らせる。

すうっと血が滲み、
刃物を離すと傷は消えてゆく……

「嫌ならそう言っていいから。
別にゼノアレグが嫌なら言わねえし
斬られるの普通に嫌だし」

「分かりゃいーんだよ。
とにかく！俺はただのアレグ！
それ以上でもそれ以下でもない！いいな」

「おー」

二人はそれ以上何も言わず、
ヨナ達のところへ戻った。