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みっつ ページ5

伏黒目線


「で、そのまま連れてきちゃった訳ね。」

「はい。」

日が沈んだ頃、子供を連れたまま高専に戻って五条先生に報告した。

五条先生は子供を見たときは驚いていたが、すぐに笑顔に変えて報告を促した。

子供は終始無言で俺についてきた。

あまりにも大人しいので五条先生も少し警戒しているようで、ちらりと子供の様子を確認している。

「……普通の子、ではないよね。」

「でしょうね。」

普通なら呪霊を踵落としで潰したりしない、地面がひび割れることもない。

五条先生は子供に目線を合わせた。

「君、名前は?」

そう問うが、子供は首を傾げる。

そして首を横に振って否定した。

「……もしかして、分からない?」

否定。

「……無い、とか?」

肯定。

「君は…、人間?」

……否定。

子供は俺の影に隠れるようにくっついてきた。

「あれ、嫌われちゃった?」

困ったなあ、と五条先生は頭を掻いた。

「それじゃ、ついでに質問。

恵やその仲間に危害を加える気はある?」

それを聞いた子供は驚いたように目を見開き、そして一番強く否定した。

その反応に俺も五条先生も驚く。

今まで一切表情を動かさなかったのに、必死に否定していたからだ。

そして酷く悲しい顔で五条先生を見つめた。

五条先生はわたわたと慌てる。

「そんな顔をさせるつもりはなかったんだけど………。ごめんね、意地悪だったよね。」

よしよしと五条先生が頭を撫でると子供は安心したように目を瞑り、そして元の無表情に戻る。

それに苦笑しながら、五条先生は俺に言いはなった。

「それじゃあ恵、ちゃんとお世話するんだよ。」

「え……。」

「え、じゃないよ。君が連れて来たんでしょ。」

……いや、嫌とかそういう訳ではない。

ただてっきり、高専に預かられると思っていたから驚いただけであって。

頼むから、そんな顔で俺を見ないでほしい。

「……分かりました。」

そう返事すると子供はすっと無表情に戻る。

……わざとだったんだろうか。

「で、どうするの?」

「何がですか?」

「名前だよ、名前。無いと困るでしょ。」

名前…。

子供を見る。

深淵のような、光の無い目。

真っ黒な衣服。

一切動かない表情。

「………深夜……。」

ふと、思い付いた言葉を呟いた。

「深夜?深夜って名前にするの?」

少し考え、頷く。

「へー!よかったね、恵に名前をつけてもらって!」

子供、深夜はこくりと頷く。

その口角は、少しだけ緩んでいた。

よっつ→←ふたつ


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メルヘン - 続きすごく気になります!これからも頑張ってください!応援しています! (2021年1月10日 11時) (レス) id: e7868645e8 (このIDを非表示/違反報告)
巫都 - 面白かったです!続き楽しみにしてます! (2021年1月7日 16時) (レス) id: b5eb63bfb4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鷹っぽい鷲 | 作成日時:2021年1月1日 20時

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