君は、紅に染まる。 ページ7
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それでも、あの笑顔とAの菓子がやっぱり恋しくて。俺は夜になってまた、麓へと下りた。
「ブンちゃん！」
Aは、紙袋を持って立っていた。でも、その顔はどこか必死さまで感じられて。
「ブンちゃん！どうしようブンちゃん……私聞いちゃったの！」
「な、何をだよぃ。」
「お父さんたちが、物の怪が山の上に住んでるから退治しにくって……ブンちゃん、山の上に住んでたよね！？……ねえブンちゃんお願い、逃げて！」
Aは泣きそうな顔で、俺に迫る。期限は、今日。深夜に、奴らは村を襲うと言う。
「……わ、わかったよ。教えてくれてありがとうな。……Aは？どうすんだ？」
「……私……私は……」
Aが、顔を伏せた。
……思わず聞いちまったけど、どうするもこうするもねえよな。Aは、こっちの人間なんだから。
……俺らとは違う世界の、人間なんだから。
「……悪ぃ。変なこと聞いちまったな。」
「違うよ！」
Aが俺の両手をつかむ。その目は、泣きそうに、まっすぐに俺を見つめていた。
「……私……ブンちゃんを追いかけたいの！ブンちゃんが逃げるとこに、私も行きたい！」
「なっ……ほ、本気かよ！？だってお前……」
「本気だよ！だって私、ブンちゃんが！」
……その時。背後に、冷たい音が響いた。
本人は隠しているつもりなのか。振り向いた先には、闇夜にまぎれた銃口がこちらを向いていて。
「！」
俺が目を見開く。……と、同時に、Aもまたそれに気がついた。
「ブンちゃん！！」
「馬鹿っA！出るんじゃねえ！」
瞬間。乾いた音が、そこに響いた。
出るんじゃない、と俺は叫んだ。でも、そそっかしいAは、もう、俺の前にいて。
「……A、？」
震えた声がその名を呼ぶ。……Aは、音もなく。大好きな赤色に身を染めて、その場に崩れ落ちた。
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鳴菜瀬(プロフ) - 幻想曲さん» ランキング入りしてるね！おめでとう！ (2016年1月14日 19時) (
レス) id: 75733470f8 (このIDを非表示/違反報告)
幻想曲(プロフ) - 鳴菜瀬さん» いやん嬉しい♪← (2016年1月11日 19時) (レス) id: 1deaa07922 (このIDを非表示/違反報告)
鳴菜瀬(プロフ) - 幻想曲さん» ほんとに尊敬するよ〜(´∀｀*)ｳﾌﾌ (2016年1月11日 19時) (レス) id: 75733470f8 (このIDを非表示/違反報告)
幻想曲(プロフ) - 鳴菜瀬さん» いつもありがとうね(ﾉ∀`)毎回励みになってるよ(*´ω｀*) (2016年1月11日 18時) (レス) id: 1deaa07922 (このIDを非表示/違反報告)
鳴菜瀬(プロフ) - 読んだよ！今回の作品も最高でしたよ！文才半分くれщ(ﾟﾛﾟщ)ってなるほどの作品だよね！応援してるよ！ (2016年1月11日 11時) (レス) id: 75733470f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：幻想曲 | 作者ホームページ：http://uranai.amanoboru
作成日時：2016年1月11日 2時
