甘い誘惑に踊らされ ページ2
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「のう、ブンちゃん。」
銀の髪がふわりと揺れた。
こいつも、仁王もまた俺と同じく、捨てられてここにやってきた。
小さい時から一緒。所謂、腐れ縁。そんなあいつは、まるで西洋人のような髪と目を持つ「異常」な子供だった。
それも、ここでは「普通」なわけだけれど。
「……なんだよ仁王。また悪戯か？」
こいつの悪戯は折り紙つき。長老様も手を焼くほど。
にやりと笑った仁王を見て、また悪戯の話かと俺は小さく息をついた。
「悪戯っちゅーか、俺に協力してほしくてのう。」
「何だよ。嫌な予感しかしねえけど、一応聞いてやるぜぃ。」
「嫌なのは決定なんか、傷つくのー……なーに、ちょいと下に行くのに付き合って欲しいだけじゃ。」
「……は？」
下って、また、あの麓に？
馬鹿なのか、こいつ。あの時、こいつも俺と同じ苦しみを味わったはずなのに。
「……なんでまた。」
「下にはうまいもんがいっぱいあるって聞いてのう。ちょっと食いたくなったんじゃ。」
「それだけかよ。……我慢しろよ、俺らは」
「三色団子。」
「うっ」
「大人の片手いっぱいに収まるくらいでかい饅頭。砂糖で作られた椿の花。白い餡子で包んだ餅。」
ここぞとばかりに、本や話でしか知らない菓子を仁王が並べる。
お前、やり方きたねえんだよ……！
「あーあ、残念じゃのう。付き合ってくれるんなら、せーっかく俺がブンちゃんに代わって手に入れてこようと思っとったのにのー。ぜーんぶ俺一人で食うことになるんじゃな、寂しいのうー……」
「う……ううう……」
下に行くのは、怖い。
でも、でも、でも……！
「……あー！わーったよ！俺も行くよ！！」
甘い誘惑になんか、勝てるわけねえだろぃ！
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鳴菜瀬(プロフ) - 幻想曲さん» ランキング入りしてるね！おめでとう！ (2016年1月14日 19時) (
レス) id: 75733470f8 (このIDを非表示/違反報告)
幻想曲(プロフ) - 鳴菜瀬さん» いやん嬉しい♪← (2016年1月11日 19時) (レス) id: 1deaa07922 (このIDを非表示/違反報告)
鳴菜瀬(プロフ) - 幻想曲さん» ほんとに尊敬するよ〜(´∀｀*)ｳﾌﾌ (2016年1月11日 19時) (レス) id: 75733470f8 (このIDを非表示/違反報告)
幻想曲(プロフ) - 鳴菜瀬さん» いつもありがとうね(ﾉ∀`)毎回励みになってるよ(*´ω｀*) (2016年1月11日 18時) (レス) id: 1deaa07922 (このIDを非表示/違反報告)
鳴菜瀬(プロフ) - 読んだよ！今回の作品も最高でしたよ！文才半分くれщ(ﾟﾛﾟщ)ってなるほどの作品だよね！応援してるよ！ (2016年1月11日 11時) (レス) id: 75733470f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：幻想曲 | 作者ホームページ：http://uranai.amanoboru
作成日時：2016年1月11日 2時
