赤井秀一さんと住んでみる3【沖矢昴】

104.絶体絶命 ページ7

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あのテニスの日からしばらくして、赤井と昴との元の日常を過ごしていたとき、それは突然起こった。




ピンポーン


工藤邸のチャイムが鳴る。





『…はーい。
昴さん鍵忘れたんです…か…？
って、あなた……！』



透「こんばんは！安室です！
沖矢昴さんはご在宅ですか？」



『…今、買い物に出かけてますけど…。』



透「…なら、中で待たせてもらっても…宜しいでしょうか？」



『………どうぞ。』





安室をリビングに通し、適当に紅茶を出す。



零「……紅茶は淹れられるんだな…。」



『…安心してください。母直伝ですから。
それで、昴さんにどんな御用です？
そろそろ宅配業者と名乗るのははきついんじゃないですかね？』



零「…本当は君に用があってきたんだよ。
……いつも君は家でそんな格好をしているのか？」



『……服は着てますけど。』



零「…そういう問題じゃない。
沖矢昴が変な気でも起こしたらどうする？」



『…昴さんはそんな人じゃありません。
自分の家なんですから、どんな格好をしていてもいいじゃないですか。』



零「男と同居してる居候先だけどな。
とりあえず1枚何か羽織れ。
僕の理性でも試しているのか？」



『…やれるものなら、どうぞ。』




零「………もういい。
…その代わりどうなっても知らないからな。」



『…本題は？』



零「…君と沖矢昴の関係についてだ。
君はあの日大人しくキスをされていたな。
そのせいで、僕は試合で負けた。」



『…言い訳しに来たんですか？』



零「違う。
君がなぜ恋人でもない男からキスを大人しくされていたのかを聞いてるんだ。
君の恋人は赤井秀一だろ？」



『…ほっぺたにです。』



零「…だとしても赤井がそれを見逃すはずがない。
沖矢昴と赤井が同一人物なら納得だが。」



『……ご褒美ですよ。
私を良からぬ輩から守ってくれる騎士ですから。』




零「…それに、
一緒に暮らしていてそんな格好をしている君に、
君を好いている沖矢昴が手を出さない訳がない。」



『…昴さんは紳士ですから。
どこかの宅配業者の方と違って。』



零「…君のその胸元のキスマーク。
…毎日抱かれなければ、…そんな痕にはならない。」



Aはさっと手近にあった膝掛けを肩から羽織る。



零「……今更隠しても無駄だ。
そんな痕をつけられるのは沖矢昴しかいない。
そして、君が好きでもない男に抱かれるとも思えない。

沖矢昴は、赤井秀一だな？」


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