赤井秀一さんと住んでみる3【沖矢昴】

145.色気の暴力 ページ48

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秀一さんに仕込んだ隠しカメラの映像はここで終わっている。


あの後私はバーボンに扮した秀一さんと降谷さん宅へ帰ってきた。
…いや、お邪魔している。



今は降谷さんを含めた3人で
その映像に不審な点はないか確認し、

確認でき次第降谷さんが組織に
そのデータを渡してくれるという
段取りになっているのだ。



秀一「…A。
緑茶とコーヒーしかないみたいだが、どうする？」



『緑茶で！』



秀一「了解。…降谷君は、
……緑茶でいいか。俺はコーヒーを頂こう。」



零「…待て。
…貴様が人の家で勝手に茶を淹れて
寛ぐのはこの際もう気にしない。

それよりこの映像の件だ！！

僕は殺 人現場でこんなことしないし言わないからな！
…ラブコメじゃないんだ、わかってるよな！？」



秀一「…ああ。良く撮れているだろう。
なぁ？A？」



『うん！
どう見ても私がカッコ良く任務遂行したスパイ映画だよね。』



秀一「…いや、熱烈なラブストーリーを目指したんだが…。」



零「…貴様……それでよくFBIが務まるな？」



秀一「ほぉー。そこまで言うからには…、
この映像にどこか失態は見つかったのかな？」



零「………無いから、ムカつくんだ！

…いいか？僕はこんなこと絶対、言わないからな。」




秀一「…すまんな。
君の女性に対する色気の暴力加減が分からなくてな。
今回は少々多めにやらせてもらった。
なにしろ妻が相手だったからな。」




『…あれは、なんか、無駄にドキドキしちゃった。』



…今思い出してもドキドキしてしまう。




零「………そうか。」




秀一「…言っておくが、あれは俺の特権だからな。

君もあの手を使おうと考えているのなら、
まず、ベルモットで試してからにして頂こうか。」



零「…するわけないだろう。
僕が興味があるのはAだからな。」




秀一「…降谷くん。いい加減諦めてくれないか？
君には無理だ。俺と彼女は10年前からの縁だ。
たとえ君に負い目があったとしても、Aだけは渡さん。」




零「…なら彼女にも意見を聞いてみようか？

……ん？……いない…だと？」




秀一「彼女なら先程犬の散歩に出掛けたよ。

安心しろ。発信器はちゃんと持たせた。」




零「…この流れのどのタイミングで出掛けたというんだ？

…彼女にあまり物騒な物を持たせるな！」




秀一「…問題ない。
…なにしろ俺も仕掛けられているからな。」



零「……は？………それで…いいのか？」

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