119.何よりの証拠 ページ22
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俺も、と言う単語が引っかかる。
横目で運転する赤井の表情を盗み見ようと試みた。
(……か、かっこいい。じゃなくて!)
『…その、コナンくんの眼鏡、ずっとしてたんですか?』
秀一「あぁ。」
『……いつまでしてるんですか?』
そう聞くとふっと笑ってAの頭を撫でた。
秀一「…着いたぞ。俺は車をFBIのほうに置いてくる。少しの間留守番しててくれ。」
そのマスタングを見送りながら自分の置かれている状況を少し考える。
…やばい。
あの眼鏡にどんな機能があるかは知らないが、
何らかの機能で見られていた可能性はないだろうか。
降谷さんは墓場まで持って行けと言っていたが、
果たして自分は微かに残る動揺を隠し切れているのだろうか?
そもそもあの人に嘘はもうつきたくない…。
哀「……で?自分の家にも帰らず私に相談しにきたわけ?」
『うん。』
哀「…ま、そんなに気にすることないんじゃない?
貴方が婚約者のことどれだけ愛してるかなんて貴方を見てれば一目瞭然だし。
その婚約者もたかだか一回のキスくらいで簡単に貴方を手離すとは思えないし。
…そもそも、ここ、たぶんその人に盗聴されてるわよ。」
『…ええ!?な、なんで教えてくれなかったの!?』
哀「…ほら、お迎えよ。」
昴「Aさん。やはりここにいましたか。
さ、帰りますよ。あまり遅くなると迷惑ですから。」
『…はい。…じゃあね。哀ちゃん。』
哀「…ええ。気をつけて。」
―――
工藤邸に着くと風呂に入るぞと言われ一緒にシャワーを浴び、髪を乾かしリビングに入ると冷たい水を出してくれた。
…あまりにも普通すぎる。
そう思い、立ったまま水を飲んでいる赤井の顔を見つめる。
秀一「…ん?なんだ?」
『…哀ちゃんとの会話を聞いて、迎えに来てくれたんだよね?』
秀一「ああ。まさか彼女に盗聴がバレているとは思ってなかったよ。」
『……コナンくんの眼鏡で本当はわかってた?』
秀一「……ああ。…こっちに来いA。」
グラスをその辺に置いた赤井に躊躇いなく近づくと優しくしっかりと抱きしめてくれた。
『…本当にごめんなさい。』
秀一「だから言ったんだ。君にその気がなくても、
降谷くんにあんなことをされれば、君が傷つく。
…降谷くんと2人にした俺にも非はあるが…。」
『…怒らないの?』
秀一「…ああ。その顔が、Aが誰よりも深く俺を愛してくれている証拠だからだ。」
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Alice(プロフ) - 青い蝶さん» ありがとうございます!優しくて幸せです(^^)笑 (2020年8月27日 21時) (レス) id: a006ba535f (このIDを非表示/違反報告)
青い蝶(プロフ) - Aliceさん» 大丈夫です!伝わってます (2020年8月27日 19時) (レス) id: 5063cf0137 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 青い蝶さん» コメントありがとうございます!そう思って頂けて嬉しいです(^^)!最大の敵が文字数ですので、書きたいことが書ききれず上手く伝わっていないことがあるかもしれませんが、読んで頂けて嬉しいです! (2020年8月27日 18時) (レス) id: a006ba535f (このIDを非表示/違反報告)
青い蝶(プロフ) - Aliceさん» いつも沢山考えてくれているんですね (2020年8月27日 17時) (レス) id: 5063cf0137 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 零さん» いえいえ!ご指摘ありがたいですm(__)m文字数ギリギリまで書いてしまうので言葉足らずな部分が多くてすみません( ; ; )コメントとても励みになります!頑張ります♪ (2020年8月27日 8時) (レス) id: a006ba535f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アリス | 作成日時:2020年8月10日 17時