100.言葉がなくても? ページ3
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すぐに昴さんが個室から出してくれる。
昴「怪我は?」
『んー。んーんーんん。
(怪我はないです。
早くガムテープ外してください。)』
昴「怪我はないな。
…なに?例のスマホは服の中…だと?」
コナン(…いや、そんな事言ってねぇだろ。)
コナン「…あ、赤井さん。
ま、まずは口のガムテープを…」
コナンの言葉に全力で首を縦に振るA。
『んー!んん!!
(そう!早く外して!話はそれから!)』
昴「…そうか。わかった。
ちょっと、失礼。」
そう言ってAの服の中に躊躇いなく手を侵入させる昴。
Aの身体は硬直し、目は絶望に満ちる。
コナンは見てはいけないものだとライトを背けた。
『…ん、…んー!!んん!!
(どこ触ってるんですか?そこじゃないから!)』
昴「…動くな。暗くて分からん。
…ん?これか?」
そう言ってあっさりキッドのスマホを見つけた昴。
…そのあとでべりっと口のガムテープを剥がしてくれた。
いろんな意味で涙目になるA。
昴「…あぁ。すまんな。」
『……手錠も外してください。』
昴「あぁ。
…ん?……何を怒ってる?」
『…別に。』
Aの首に手を這わせ、そこからネックレスを取り出す。
昴「これを持たせておいて正解だったな。
ボウヤ、照らしてくれ。」
コナン「う、うん。それ何?」
昴「…ピッキングの道具だよ。
こんなこともあろうと、
ネックレスとして持たせていたんだ。
どこで何が起こるかわからんからな。
この間も目を離した数時間のうちに、
頭にこぶを作り血塗れで骨折して帰ってきた。」
『…ヒビです。』
昴「…もうあんなのは懲り懲りだよ。
……よし、取れたぞ。」
カチャと音がして手錠が外れる。
『…ありがとうございます。』
ムスッとしたままお礼を言うA。
昴「…?…何を怒ってるんだ?
手錠は外してやっただろ?
スマホも返ってきたし。
なぁ、ボウヤ?」
コナン「は、はは…。そだね。
(絶対にポイントはそこじゃねぇんだよな。)」
昴「それで?
怪盗キッドに会って目的は果たせたのか?」
『…はい。』
昴「もし、…今度ヤツと会う時はもう5メートル距離を保つんだ。」
『…え?そんなに…?
…もしかして、……妬いてたんですか?博士に?』
昴「…違う。君と親しくする男に妬いたんだよ。」
車に乗るまでの間の会話で、
Aの機嫌はすっかり直ってしまっていた。
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Alice(プロフ) - 青い蝶さん» ありがとうございます!優しくて幸せです(^^)笑 (2020年8月27日 21時) (レス) id: a006ba535f (このIDを非表示/違反報告)
青い蝶(プロフ) - Aliceさん» 大丈夫です!伝わってます (2020年8月27日 19時) (レス) id: 5063cf0137 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 青い蝶さん» コメントありがとうございます!そう思って頂けて嬉しいです(^^)!最大の敵が文字数ですので、書きたいことが書ききれず上手く伝わっていないことがあるかもしれませんが、読んで頂けて嬉しいです! (2020年8月27日 18時) (レス) id: a006ba535f (このIDを非表示/違反報告)
青い蝶(プロフ) - Aliceさん» いつも沢山考えてくれているんですね (2020年8月27日 17時) (レス) id: 5063cf0137 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 零さん» いえいえ!ご指摘ありがたいですm(__)m文字数ギリギリまで書いてしまうので言葉足らずな部分が多くてすみません( ; ; )コメントとても励みになります!頑張ります♪ (2020年8月27日 8時) (レス) id: a006ba535f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アリス | 作成日時:2020年8月10日 17時