赤井秀一さんと住んでみる3【沖矢昴】

110.やり過ぎた牽制 ページ13

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水族館からの帰り道を降谷がAを工藤邸まで送る。


零「…それ、持ってきてたのか。」


降谷が指すのは狙撃された疑惑のとき偶然にもAの手に転がり込んできたクマのぬいぐるみだ。

…本当に偶然なのかは確かめる術はない。



『…まぁ。可愛いし。狙ってたものだし。』



零「…いろいろあったが、君と過ごせて楽しかったよ。
…欲をいえばもう少しデートらしいことをしたかったけどな。」



『…してたじゃないですか。
定番デートスポットで2人でデート。』



零「…やっぱり、キスのひとつくらいしてもバチは当たらないと思うんだが。君はどう思う？」



『…当たるでしょうね。流れ弾が。
…やめてくださいよ。
そんなことで目の前で降谷さんの頭が吹っ飛ぶところを見るのは嫌ですから。』



零「…つまり、君は僕に死んで欲しくない、ということか？」



『…当たり前です。』



零「…もし、君が僕にキスしなければ僕が死ぬとしたらどうだ？…するか？」



『…まず、どんな状況に陥ればそうなるのかを
教えていただきたいです。』



零「…どうなんだ？するか？しないか？」



『…もし、本当にそんな状況が訪れることがあれば、
するかもしれませんね…。
…他に手がなければですけどね。』



零「…それが聞けて安心したよ。

…着いたぞ。」



『…ありがとうございました。送っていただいて。』



零「…当たり前だろ。

そういえば、ベルモットが君と話したがっていたから、用心しろよ。
僕もそうならないよう釘は刺しておくが、絶対の保証はないからな。
何かあったら連絡してくれ。」



『…わかりました。
じゃあ、…流れ弾にお気をつけて。』



零「…やめろ。縁起でもない。」



『降谷さんが秀一さんに宜しく言ってたって、
伝えておきますね。』



零「…嫌がらせか？
いらんことするなよ。絶対に。

じゃあな。…また連絡する。」


去って行く降谷の車を適当に見送ってから
工藤邸の玄関を開ける。


ガチャ




秀一「おかえり。早かったな。
降谷くんとのデートは楽しめたか？」


『…途中で狙撃されなければ、
びくびく怯えなくて済んだんですけど。』


秀一「…牽制だよ。
あんまりいい雰囲気になられると困るんでな。

君といい雰囲気になるのは俺だけにして貰いたい。

それに、君が欲しがってたものは俺が取ってやりたかったし。」



『…私、毎晩この子と寝ます。』



秀一「…君と毎晩寝る役目は、そいつじゃなく俺だよ。」

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