90.粉々のコップ ページ43
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その男は近所の美大に通っているらしく、
どこの美大かどの教授かなどの質問を適当に
あしらって、たまたま鞄に入っていた例の精密図面を
そのページだけ破って渡すことにした。
『…もう話しかけてこないでね。
私、人と話すの嫌いなの。』
降谷から訝しげな視線を感じたが、
少し離れたところの食器の整理にもどったようだ。
藤沢「…わぁ。まるで実物ですね。
……これだけ精密な絵が描けるなら、
パスポートや免許証の偽造なんかも、
…できちゃいそうですね？」
こちらに背は向けているが、降谷の警戒が増したのを感じる。
Aは隣に腰をかけてきた美大の男に初めて静かに目線を送った。
『…怒るよ。』
藤沢「あ、やっとこっち向いてくれた。
やっぱり綺麗な人だ。僕のモデルになって欲しいくらいだ。」
『……目的はなに？』
藤沢「…やだなぁ。
本当に神崎さんの絵に惚れただけだって。
あ、でも今、君自身に惚れちゃったかも。
その顔も、その華奢な腰も、非力そうなスタイルも、
全部僕の好みだ。」
…取り敢えず組織とは関係なさそうだと思い、
この後どう切り返すか考える。
するといきなり降谷が笑い始めた。
零「…フッ…」
なんか、物凄く嫌な予感がする。
藤沢「…お兄さんなに？
もしかして彼女に指輪あげた人？悪いけど、婚約者がいたところで…」
零「…いや、君が彼女が華奢で非力と言ったことが面白かったんですよ。
まぁ、無理もないですよ。
なぜなら彼女の筋肉は人に見せる為のものではなく、
…戦う為のものなんですから。」
藤沢「…な、何が言いたい？」
零「君に教えてあげようと思ったんですよ。
君が華奢だと言う、
…その彼女の腹筋が、しっかりと割れていることをね…！」
…そしてAをプロレスラーかボディビルダーと勘違いしたそのストーカー(自称美大生)は抜け殻のようになって会計を済ませ帰っていった。
『…どこで見たの？
私、抱かれた覚えないですけど？』
零「…僕も抱かせてもらった覚えはないよ。
…抱きしめたことはあるけどね。」
『それは不可抗力。
っていうか、そんなにバキバキに割れてるわけじゃないから。』
零「知ってるさ。」
『見せる為の筋肉も、ちゃんと鍛えてますから。』
零「…何の為に…。」
『……さぁ？…秀一さんのため、以外に何か思いつきます？』
降谷さんの顔から余裕の笑みが消え、その手にあったコップが粉々になった。
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Alice(プロフ) - kaoruさん» 嬉しいコメントありがとうございます！私も緋色の映画が待ちきれなくて、何とか赤井さんに愛されたい（笑）と思って作ってしまいました！楽しんで頂けると嬉しいです！ (2020年8月4日 0時) (
レス) id: a006ba535f (このIDを非表示/違反報告)
kaoru(プロフ) - はじめまして！緋色映画やるって聞いてからまた赤井さんに沼っている時に、この小説を見つけてしまって…。面白すぎて一気読みしました！！続きが気になりすぎます。応援してます、頑張ってください！ (2020年8月3日 23時) (レス) id: ecb16dd86f (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - レーナさん» コメントありがとうございます！嬉しいです！(^^) (2020年8月1日 9時) (レス) id: a006ba535f (このIDを非表示/違反報告)
レーナ - めちゃくちゃ面白い夢小説発見☆続き楽しみにしてまーす！！！頑張れんこん！ (2020年7月31日 23時) (レス) id: c89295cbe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アリス | 作成日時：2020年7月30日 11時
