#002.天使 ページ2
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拳を高く振りかざし、僕を殴ろうとした。
そんな、瞬間だった___。
「ねぇ……何してるの……?」
凛と響いた、女の人の声。
声のした方を見ると、赤のヘッドフォンをつけた少女が、無表情でこっちを見ていた。
「お前……
1人の男子が声を荒げる。
「そうだけど……。何か?」
面倒臭そうに髪をガシガシと掻いて、澪戸さんはズカズカと歩んでくる。
澪戸さんって確か、中間テストで学年1位を取っていた人だ。
「その制服、男学部の2年?」
「だ……だったら、何だよ!?」
「ここって女学部の土地なんだよね。そんな場所で人苛めてさ……どうなるのかな?」
ニコリともせず、澪戸さんは言う。
要約すると「私が先生に言う。あんた達は退学だね」と、いうこと。
男学部の人が女学部の土地に足を踏み入れることその逆もまた然り、は。
校則に違反したことになり、かなりつらい罰が与えられることになる。
罰は確か、退学だ。
しかも人を苛めていたとなると、かなり重い罰になるだろう。
「くッ……覚えてろよっ!!」
在り来たりな台詞を吐いて、僕を苛めていた男子達は走っていった。
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作者名:ゆっ子 | 作成日時:2018年10月24日 21時