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八十四話 私の光 ページ35
「私の光・・・・・・か。そうだなあ」
考えたけど、脳裏にはあの人の笑顔が浮かんで離れない。きっとこれからもそうなんだろうなあ。なんて考える。
やっぱり私には私の居場所ってものがあるから。
私は鏡花ちゃんに向き直り、笑いながら言った。
「組合の皆、かな。お世話になったし」
照れ臭いな。久々にこんなに素直になれた気がする。いや、今まで私ががひねくれていただけか。
「良いと思う。光があったから私は前に進めた。きっと、貴方も私と一緒」
「嬉しいなあ、そんな風に言ってくれて」
他愛もない話が、此処まで楽しいとは思わなかった。今まで必要最低限いしか会話をしなかったからな。
新しい感情が、芽生えていく。もっと早くにこの感情を知りたかった。
後悔ばかりしても駄目。
前だけ浮いても駄目。
横を見ても駄目。
何をすれば正解なのか。暗闇に残された赤子同然だった私を拾ってくれた組合にどんな感謝をすればいいのだろうか。
行き場のしれない気持ちをどう対処すればいいのかはわからないが、今の私の心は温かい。
「・・・・・・ねえ、大丈夫？」
肩を叩かれてハッと我に返った。
「あ・・・ごめん大丈夫」
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作者名：赤菊 藍 | 作成日時：2018年10月2日 19時
