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七十八話 塗り固められた嘘 ページ29




建物の、上空からは絶対に死角になって居る場所を見つけたのでそこへ移動した。



「それにしても、間一髪だったね・・・」


銃についているスコープで、マークが建物に居る私を発見していたら計画が全てパーになっていたはずだ。見つからなくて本当に安心したよ。

銃を持ったマークの『標的以外には興味を持たない』性格に、今回ばかりは助かった。




私の異能の都合上、どうしても三十分は元の姿に戻っておく必要がある。今十分ほど隠れていたから残りは約二十分。
これだけ休憩をはさんでももう三十分は欲しい位だ。

やっぱり、この作戦はかなり私が無茶をすることになりそう。



元の姿に戻ると体力や感覚が元に戻っていくのを肌で感じる。



「嘘で塗り固められた私の素顔は如何に!?ってね。誰得なんだか。・・・でも、私の素顔を拝みたいのは日本の警察だけじゃないからね」


癖のあるオレンジ色の髪を触り、苦笑いをしながらそう言った。




日本の警察に限った事ではないが、指名手配されている私の顔が本物の素顔では無いのだから笑ってしまう。


織田に、激辛カレー十杯と引き換えで異能特務科にまるで違う容姿を流したのが、まさかここまで成功するとは思わなかった。
しかし、織田がマフィアだという事の方が驚いたが。いくら依頼されたとはいえ、敵対している組織に乗り込む人を見たことがない。



「織田、今何処にいるの?・・・・・・会いたいよ」



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作者名:赤菊 藍 | 作成日時:2018年10月2日 19時

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