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七十一話 浮遊感 ページ22




「ねえ!起きなさいよ!これじゃあ、あたしも貴方も地面に真っ逆さまよ!」


これ以上ない浮遊感に襲われながら、敦に向かって叫ぶ。けれど、敦はうんともすんとも言わず、それどころか呼吸も薄くなってきている。

あの気持ち悪い人形を届けるどころか、生命の危機が迫っているのだ。



これがあたし一人だったら!


異能を使ってアンに受け止めてもらえれば一番いいのだが、敦が気絶している今では何が起こるかわからないし、危険性も高い。


そんなことを考えていたら、視界がぐらついた。



「きゃ!?」

大きく風が吹いて、気が付いたら見ている世界が反転していることに気が付いた。今まで見てきた反転している世界は、ビー玉の反転世界くらいだったのに、体ごと上下が反対になっているのは違和感と恐怖感しかない。



「ちょ、ちょっと!早く起きて!」


あたしの叫びも、虚しく風に吹き去られてしまった。



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作者名:赤菊 藍 | 作成日時:2018年10月2日 19時

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