検索窓
今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:16,598 hit

六十五話 お詫び ページ16




「何で彼女の為に此処まで・・・」


私の目を見て少しだけ信用してくれたのか、不思議そうに私に尋ねた。
肩の力が完全にとはいかないが、かなり抜けている。もう少しで、完全に信用してくれるだろう。


「・・・酷いことしちゃったから」

自然に目を細めながら続けて話す。
空気がぴしりと此処だけ固まっているみたいに冷たくて、ひんやりしている。



「私は、組合を近々辞める」
「なっ!貴方、誰よりも忠誠を誓っていたでしょ!?」


モンゴメリちゃんは私の元へ駆け寄って、肩を揺らす。私は涙が出そうになるけれど、ぐっとこらえながら言った。



「ううん、もういいの。私には向いていないことに気が付いたから」
「・・・そう。でも、この抗争が終わるまでは辞めないんでしょう?」
「そうだよ。私は、ゼルダさんの為に此処に入ったんだから」


笑顔を取り戻しながら私は言う。心配をかけて、成功率を下げてはいけない。



「お願い。途中で私を引き剥がしても良いから、私と一緒に飛び降りて。今の敦には組合全員の目を集められる。だから」


六十六話 承諾→←六十四話 上司として部下へエールを



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (36 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
69人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:赤菊 藍 | 作成日時:2018年10月2日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。