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「人間って、あの人間ですか!?」



誠が目を見開き言う。アズサは誠の言葉に対し、静かに頷いた。

二人が会話をしている間も風が止まらない。アズサの美しい金髪が意味ありげに靡いていて、絵になっている。誠は息を飲み、口を開いた。



「うわっ!」


誠が更に質問をしようとしたのだろう。が、その時突然立つことも出来ない程の大きな地震が起こった。一秒一秒が重く長く感じる。

これも人間の所為なのかと誠は焦りながらも、アズサを強風から盾になり守っている。




「アズサお嬢様、お屋敷へ戻りましょう!ここは恐らく危険です!」


そう叫びながら誠はアズサの手を引いて走った。誠の手は黒い手袋をしていたが、確かなぬくもりがあった。
アズサはしっかりと誠の手を握り、出来る限り走る
スピードを出した。



「……誠」
「なんでしょうか」


二人とも急いでいるので大きく息をしながら互いの顔をしっかり見ている。
アズサの奥深くにあるハート形の瞳孔が僅かに揺れた気がした。





「屋敷へ戻ったら船を出す準備をしなさい」



アズサは走りながらそう言った。
その表情は普段アズサが見せる穏やかで可愛らしい笑顔などではなく、焦りで揺らいでいる瞳と覚悟したようにきゅっと閉じられた唇だった。





「船……ってまさか!」



誠が顔色を変えた。


『船』それは何を意味するのか人間にはわからないであろう。
それもそうだ。妖の専門用語のようなものなのだから。



「致し方ないでしょう。他の妖たちも恐らく出航の支度は出来ているはず……代々受け継がれてきた東雲家を私の代で終わらせるわけにはいかないわ」



強気な言葉とは裏腹に悔しそうな顔をしながら走る足を止めないアズサ。

もうじき、夜が明ける。



2:出航は夜明け前に→←1:その日、世界は消えた



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赤菊 藍(プロフ) - 旅人さん» そのような評価を頂き光栄です。この作品は色々と自分の可能性を広げようと試行錯誤しているものなので、やや更新頻度が遅めですが温かく見守っていただければ幸いです。素敵な感想ありがとうございました。 (1月13日 8時) (レス) id: cc808b1622 (このIDを非表示/違反報告)
旅人(プロフ) - 描写がはっきりとしていてとても読みやすいです…!更新楽しみにしています! (1月13日 1時) (レス) id: ec476d732d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤菊 藍 | 作成日時:2019年1月1日 1時

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