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「まふまふ、財布持った？」
「持ちましたよ。そらるさんこそ財布とか忘れてませんか？」
まふまふに持ち物を確認しようとしたら悪戯っ子のような笑みで返された。それに対し俺は少しムッとして言い返す。
「俺はお金が無くなってもまふまふが居るからいい」
まふまふはそれを聞いて照れくさそうに笑った。まふまふの笑みがあまりにも面白可笑しかったから、俺もつられて笑ってしまった。
嗚呼。もし人殺しとダメ人間という無様で愚かな肩書 がペラリと付箋の様に剥がれてくれるのなら、今すぐ剥がしてほしい。
愚かな人間二人が、この上なく必要ない肩書を背負ってのうのうと生きていける筈がないだろう。
明日が来るのかもわからない、今誰かから裁きを受けても可笑しくない二人をどうか人間に戻してほしい。
「この数少ない幸せな時間が、永遠 に続けばいいのに」
もしこの願いが叶うなら、どれだけ幸せな事だろう。どれだけ楽しい事だろう。
でも、現実は思っているよりも無情で残酷だ。
「俺は、この腐った世界が大嫌いだ」
俺の右目から、透明な涙が出てきた。涙は頬を伝い、ぽたりと落ちた。
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作者名：赤菊 藍 | 作成日時：2018年10月28日 20時
