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唐突に目が覚めた。時計の針の音が嫌というほど聞こえる。冷や汗で俺の身体は少し濡れていた。心なしか少し頭が痛い。
急いで時計を見ると、八月十四日の午前十二時ちょっと過ぎだった。夢で見た日付の丁度一日前位だ。


嫌な予感がしたので身支度をして公園へ急ぐ。


来てみると、案の定中山はブランコに座り猫を撫でていた。


「悪い。ちょっと遅れた」
「あ、立原さん!大丈夫ですよ。私も今来たばっかりです。」
「おう。そうか」


・・・夢で見た会話と全く一緒だ。


また中山と他愛もない話をしていると、猫が道路へ走っていく。中山はその猫を見て追いかけようとした。あの悲劇が繰り返されるのだと、そう思い咄嗟に手を掴む。


「っもう今日は帰ろうぜ」
「せっかく来たばっかなのに良いんですか?」
「ああ。俺の家でいいか?」
「はい!勿論です。」


良かった。これでこいつは助かる・・・あの悲劇はもう見たくねえ。


夢で見たトラックが来た道の反対側へと、しっかり手をつないで歩いた。



トラックが走って来た付近の道を抜けて、人通りの多い道へと進む。今日は人が結構いる。少し安心した。


「きゃああああああ!!」
「危ない!!」

俺達の真上を見ながら叫ぶ通行人。何の事だかわからない。


一瞬。本当に一瞬中山が前に転んだとき、鉄柱が物凄い音をしながら落ちてきた。



「ヤバいって!!」
「避けろ!!」


とたんに視界が赤くなる。それは俺が一番見てきたもの___血だ。

中山の、血だった。



「中山!!?」


俺は叫ぶ。嘘だろ!?夢だって。言ってくれよ!!


またもう一人の俺が現れた。「おいおい。嘘じゃねえぞ」なんて意地悪く笑いかけてくる。



判らない。

どうして俺は無事で中山はこんな事になっている?

どうしてもう一人の俺が居る?



第一。

何で、何で中山は笑ってるんだ?



・→←番外編【夏に囚われた青年と少女】【カゲロウデイズ】



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孤児ギン(プロフ) - 赤菊 藍さん» え、貼ってくださるのですか!?もちろんどうぞ!とても嬉しいです!(元漆黒の天使鬼気です) (2018年12月18日 18時) (レス) id: fd17ce3ff7 (このIDを非表示/違反報告)
赤菊 藍(プロフ) - 漆黒の天使鬼気さん» ここで質問なのですが、今連載している章が終わるといつものように表紙絵を貼るのですが、漆黒さんの絵を表紙絵にしても宜しいでしょうか?あまりにも可愛いので載せたいのですが…… (2018年12月18日 17時) (レス) id: cc808b1622 (このIDを非表示/違反報告)
赤菊 藍(プロフ) - 漆黒の天使鬼気さん» 突然すみません。以前頂いたイメ画をどうしても載せたくて色々調べた結果、載せることが出来ました。遅くなってしまい、本当に申し訳ありません。とっても素敵な絵を描いて下さりありがとうございます。「可愛いっ!」と思わず声をあげてしまいました。 (2018年12月18日 17時) (レス) id: cc808b1622 (このIDを非表示/違反報告)
赤菊 藍(プロフ) - 漆黒の天使鬼気さん» 漆黒さん!いえいえ、こちらこそ何時もコメントと観覧ありがとうございます。明日くらいに続編へ行きますが、どうか中山ちゃんと立原さんを見守っててやっててください。 (2018年10月26日 22時) (レス) id: 729a63d6a3 (このIDを非表示/違反報告)
漆黒の天使鬼気(プロフ) - 本当に素晴らしいです!毎度毎度ありがとうございます! (2018年10月26日 22時) (レス) id: e9d5dcb395 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤菊 藍 | 作成日時:2018年8月7日 20時

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