不登校だったけど久々に登校してみた!(本田菊) ページ3
(先生パロで、Aは中学生を想定しています)
「し、失礼します……」
久々の学校。3日ぶりだろうか。
もちろん例のごとく遅刻をしてきたので職員室に入った。
「おや、Aさん。お久しぶりですね。体調はどうなんですか?」
「あ、菊先生。はい。今日は起き上がれたので、5時間目と6時間目の授業だけでも受けようと思ったんです」
職員室にいたのは本田菊先生。わたしのクラスの担任で担当教科は現代国語だ。彼の授業を受けるのは楽しい。単純に現代国語が好きだと言うのもあるが、本田菊先生そのものが好きだ。もちろん恋愛的な意味で好きだ。先生と生徒。決して叶う恋ではないのは分かっているけれど、諦めたくはなかった。
「そうなんですか。5時間目は確か……美術でしたね。1人で行けますか?」
彼はわたしの顔を見るなり、なにやら作業中であったはずなのにこちらに近づいて「偉いですよ」と頭をポンポンと撫でてくれた。午前中はなかなか動けないわたしを常に気にかけてくれて毎週のように家庭訪問をしてくれた。普通に授業に出られない分、忙しいはずなのに授業プリントを毎回用意してくれたり、わたしの分からない問題を担当教科じゃない教科も見てくれた。
だからこそわたしは菊先生が好きなのかもしれない。前に1度、菊先生に好きと伝えてみたこともあったのだが、返ってきた答えは
「Aさんに私みたいな爺は似合いませんよ。あなたにはもっといい人がいるはずですよ」
当然の受け答えだ。そりゃ突然生徒に告白されても冗談と受けとるか。そんなふうに半ば諦めていると
「そうですね……もし、あなたがここの学校を卒業したら少しは考えてもいいですよ」
なんて返事が返ってきたりしたので今は本当は少しドギマギしていたりする。
「菊先生は今は授業ないんですか?」
「ええ。そうですよ。6時間目はあなたのクラスの授業がありますけどね」
「じゃあ、一緒に行きませんか?その、授業中にわたし一人が入っていくのは気まづくてですね……」
「なるほど、いいですよ。ちょっと待っててくださいね」
「はーい」
授業中の誰もいない職員室。
菊先生とわたしだけの空間だと思うとほんのり頬を赤らめた。
やはり、わたしは菊先生のことが好きだ。
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作者名:ame | 作成日時:2023年9月12日 23時