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学園長先生に挨拶への段 ページ4

伊作が金吾達に礼を言って、は組を外に出した。
一年生が見るには、怪我が酷い。

「保健委員長の善法寺伊作です。まず名前を教えてもらってもいいですか。」
少し躊躇ってから口を開いた。
「土井…土井Aです。あの!!なぜ、僕は生きてるんでしょうか。」
起きたばかりで頭が混乱しているのか、焦ったように聞くAに土井先生が止めにはいる。
「A、落ち着け。まずは伊作が怪我診てくれるから。」




「はい、出血も止まってるので大丈夫だと思います。まだ、毒の影響で少し動きにくいとは思いますが。」
「善法寺君、ありがとうございました。」
伊作の問診が終わった。

「土井先生、このあと学園長先生の庵へAさんと向かって下さい。」
「ああ、わかった。ありがとな、伊作。」
「いえ、保健委員ですから。」
へらっと笑顔を見せた伊作に礼を言う。



歩きにくいということでAに肩を貸す。いつのまにか身長が近くなっていたことに内心土井先生は驚いた。
(当たり前か……。もう15だもんな。数年前に会ったっきりだったしなぁ。)
など思っていると、Aが土井先生に話しかけた。
「兄上、お久しぶりです。このような状態でご迷惑をかけてすいません。」

「迷惑じゃないよ、A。ほんとに久しぶりだな。つもる話もあるし、まずは学園長先生のところに行こうか。」
優しい声音で土井先生に言われAはひどく安心した。




「学園長先生、土井です。弟を連れて参りました。」
「うむ、入れ。」

ぎゅっ。
!!
ボソッ
「どうした、A?」
「兄上、中に一人だけじゃありません。たくさんいます。」
「言ってなかったね、ほかの先生方だよ。安心しろ、お前に害を与える人はいないよ。」
兄が言うなら、と失礼します。といって二人が入ると学園の先生達も集まっていた。

「そなたが半助の弟じゃな。しばらくここで療養するといい。じゃが、なぜ訳を聞かせてもらってもよいかの?」

土井先生の側から離れ、学園長に頭を下げるA。

「この度は我が命を助けていただきありがとうございました。土井半助の弟のAと申します。もちろん、今から経緯をお話致します。兄上、よろしいですか?」
土井先生の過去もあるのだろう。許可を求めると、土井先生は頷いた。

意を決してAが口を開いた。

学園に来た訳の段→←弟に聞きたいことの段



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作者名:七瀬 | 作成日時:2018年7月27日 1時

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