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奇妙な来訪者の段 ページ1

下級生が寝た頃。


「はぁ、今日も疲れましたね、山田先生。」

「そうですなー。土井先生。でも元気なのもは組のよい子達のいいところですな。」

「そういえば、今日六年生の授業を見たんですよ。やっぱり六年生にもなると、プロに近い動きをしますね。つい、弟のことを思いだしましたよ。」

「半助、確かあなた年の離れた弟がいましたね。」

「ええ、ちょうど六年生と同い年ですよ。十個離れてますからね。ここ数年会っていませんが、元気にやってると思いますよ。」

一年は組の担任である土井半助と山田伝蔵が縁側で話していた。
そこへ急いで走ってくる、事務員の小松田秀作がやってきた。どうやら土井先生に用事があるらしい。

「はぁ、はぁ……。土井先生!とにかく医務室へ来て下さい!」

何事かと土井先生と山田先生が急いで医務室に向かう。先程のんびり話していた雰囲気はもう無い。

一声かけて医務室に入る。医務室には校医の新野先生と六年生で保健委員長の善法寺伊作がいた。布団に怪我人が寝かされている。

「ああ、土井先生いらっしゃいましたか。」
新野先生が話しかける。

「ええ、それで私に用とは?」

「土井先生、この方が意識を失う前に土井先生のことを口に出したんですよ。この夜中に学園の門を叩かれて、小松田さんが出たら血まみれで立っていたそうです。僕と同い年ぐらいに見えますが、お知り合いですか?」

経緯を説明しつつ、土井先生に伊作が問いかける。

「近くに寄ってもいいですか?」

土井先生が寝かされている怪我人に近寄る。夜中のため、暗くて顔がよく見えない。
顔を確認した途端、土井先生が息を飲んだ。

「おい半助、どうした!?」
返事が無い土井先生に山田先生が問いかける。

恐る恐るといったように、土井先生が口を開いた。

「……。しばらく会っていませんでしたが、私の弟です。」


三人ともそれを聞いて黙ってしまった。
沈黙を破ったのは新野先生だった。

「土井先生の弟さんということがわかれば、明日にでも学園長に許可を取ってしばらく忍術学園で療養してもらいましょう。余りにもひどい怪我だ。安静にしていただかないとね。」

「そうですね!土井先生、安心してください。保健委員が責任を持って弟さんを治しますから!」

保健委員としても見過ごせない怪我だったことを思いだしながら、伊作も賛成する。

二人の言葉を聞いて、不安げながらもお願いします、と言って土井先生と山田先生が医務室から出て行った。

土井先生に聞こうの段→



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作者名:七瀬 | 作成日時:2018年7月27日 1時

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