純白の桜～FF編～ (ページ48)

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番外編*夏未side ページ48

これは私が6歳の頃のお話です

夏未(幼)「どこに落としちゃったんだろう…」

お誕生日に貰った小さな髪飾りを落としてしまい、私は一人で探していた

夏未(幼)「どうしよう…」

地面には水滴の跡がついた

すると、一人の女の子が私にハンカチを差出してくれた

？「どうしたの？」

そのハンカチを借り、私は涙を拭いた

？「女の子は何時でも笑ってないと！！ね？」

と、子供らしい無邪気な笑みを向けてきた

夏未(幼)「髪飾り…落としちゃって．．．大事なものなのに、」

？「大丈夫！きっと見つかるよ！私も探すから、泣かないで？」

夏未(幼)「う、うん！！」

その子の笑顔に自然と笑みが零れた

髪飾りは中々見つからず、日が暮れて来た

夏未(幼)「ねぇ、お家に帰らなくていいの？」

？「大丈夫、大丈夫！！あっ、これじゃない?!」

その子の手には、私の落とした髪飾り

夏未(幼)「これだよ！ありがとう！！」

？「良かったぁ、私、木之本A！」

夏未(幼)「私は雷門夏未！」

A「夏未ちゃんか～、今度は遊ぼうね！」

夏未(幼)「うん！！」

A「またね！」

彼女は走って帰って行った

夏未(幼)(もしかして、私の為に帰らないでくれたの？)

思えばAはこの時から優しかった

夏未(幼)「あっ、ハンカチ…」

それから時が経ち、Aが雷門に転校してきて、私達は再会した

Aが私のことを覚えているか不安だったけど、その心配は不要だったみたい

会った途端、"夏未ちゃんでしょ?!"

と、私に言ってきた

夏未「A、これ」

A「このハンカチ…あの時のだね」

夏未「返すのが遅くなってゴメンなさい」

A「ううん、ありがとう！！」

数年ぶりに見た彼女の笑顔はあの時の無邪気な笑みのままだった