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34.今日は君のおかげで ページ42

「俺だって、躊躇うときくらいあるよ。でもさ、変化を躊躇しているばかりじゃ、失ってしまうことだってある。」

いいところをついてくる。
その通りだ。躊躇ってばかりじゃ失う時もある。
私はすでにそれを体験した。
私の場合は…幼馴染だ。
彼は…元気にしているだろうか。私の幼馴染は…初恋の人は…。

何も声を発しない私に対してユウハは話を続けた。

「…だったら、前進したほうがいいんじゃないのか?非常勤で働いている限りいつ城に来れなくなるかわからないだろ。トールが今大切にしている人にだって会えなくなるんだ。それなら、前に進めよ。」

「……そうだね…」

ユウハはすごい。私が欲しかった…求めていた答えをいとも簡単に導き出してしまうのだから。

大切な人。私の中のその言葉の意味に、ゼンや白雪、木々やミツヒデ、オビ、そしてユウハが含まれていることを彼はわかってるのだろうか…そして、彼の中で私は大切な人に含まれているのだろか…きっと、片想いなんだろうな…ユウハも思ってくれていたら嬉しいけど…

そんなことを思っていれば、彼は少し気まずそうにこちらに視線を合わせながら、

「それに…俺も…お前がいないとさみしいし。」

そう小さく呟いた。

すぐに私から視線を逸らしたユウハは誤魔化すように手元の書類に視線を落とす。

その隣で私の頰は緩みっぱなしだ。

ユウハも想ってくれていた…それだけでこんなにも嬉しいなんて、私にとってゼンたちに等しくユウハも大切なのだ。

「私もだよ。」

そう言えば、驚いたようにこちらを見て、そうか、その一言を言ってからまた視線を逸らすユウハ。
その顔には安堵の表情が浮かんでいた。

実を言ってしまえば、あの時、ゼンが誘ってくれていた時、少しばかり嬉しかったのだ。

『お前はここにいていい。』

言外にもそう伝えられているような気がして。

こんな暖かな場所に私なんかがいていいと言われたような気がして。

でも、それに気づいたのは私じゃなく、彼のおかげだ。
私一人じゃ気づけなかった。

だからありがとう。

素直じゃないから言えないけど。



今日は君のおかげで色づいた。

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設定タグ:赤髪の白雪姫 , 夢小説 , オビ   
作品ジャンル:ラブコメ
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尻尾 - シラさん» 了解しました!(^^)ありがとうございます(*^^*) (2017年5月22日 15時) (レス) id: bb97fb99a6 (このIDを非表示/違反報告)
シラ - そうですね。よろしくお願いします! (2017年5月14日 14時) (レス) id: a9b6bb5114 (このIDを非表示/違反報告)
尻尾 - シラさん» ありがとうございます!…取られそう、って言うのは恋愛的にですか? (2017年5月14日 14時) (レス) id: bb97fb99a6 (このIDを非表示/違反報告)
シラ - そうですね… イザナに取られそうになる夢主をオビが守るっていうのはどうでしょう? (2017年5月13日 21時) (レス) id: a9b6bb5114 (このIDを非表示/違反報告)
尻尾 - シラさん» ありがとうございます!できれば、リクエストなどもお願いします(^^) (2017年5月13日 8時) (レス) id: b6819af603 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:尻尾 | 作成日時:2017年3月31日 16時

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